(2026年10月2日、愛知・名古屋市稲永スポーツセンター / 取材=布施鋼治)
■女子50kg級優勝・須﨑優衣(キッツ=4試合を無失点で勝ち抜いて優勝)「4試合を通して勝つためにやるべきことを明確にし、やってきたことが、本当にすべてはまりました。練習してきたことを出し切って優勝することができたので、すごくいい大会だったと思います。(「明確」の意味を問われ)そうですね。いろいろなシチュエーションを考え、コーチと相談しながら、私の対戦相手はどういうふうに勝とうとして戦略を立ててくるのかということを考えました。そう攻撃してきた場合に『どうやって勝つか?』という対策を、本当に細かくやってきました。すべてのシチュエーションで練習してきたことを出せました。
これからも大会が続きますけど(世界選手権と全日本選手権)、いい経験になったと思います。最初から最後まで攻めて勝つのが須﨑優衣のレスリング・スタイル。それでやり切ろう、という思いで臨みました。勝っていても攻める、という姿勢も最後までやり切れたと思います」
■女子76kg級優勝・鏡優翔(サントリー=アジア大会初出場で初優勝)「よかった、というホッとした気持ちです。まず、たくさんの方々に支えてもらってここに立てたので、みんなに感謝の気持ちでいっぱいです。(決勝も準決勝も逆転勝利で)すみません、いつもひやひやさせてしまって。でも、どれだけ取られても、自分がやってきた練習と気持ちがすべて上回っているという自信があった。だからこそ、最後まで自分を信じることができ、逆転できたんだと思います。
(決勝戦は、相手の片足タックルをしのぎ、バックに回って押し出したポイントが決勝点になったことについて)狙っていたわけではないんですけど、勝手に体が覚えていたというか、相手がこう来たら、自分はこうしなきゃいけないというのは、体にずっと覚え込ませてきました。それが、勝手に出たのかな、と思います。実は右ひざは前十字じん帯を完全断裂していて、周囲に『出るな』『早く手術しろ』と言われていました。でも、意地っ張りな私が『アジア大会には何が何でも出る』と主張して、できる範囲の中で闘いました」
■男子フリースタイル86kg級2位・石黒隼士(自衛隊=昨年の世界選手権に続き、アジア大会も2位に)「決勝は自分のミスが出たりして、最初から相手の展開になった。『ああ、このまま点差が開いて流れるのかな?』と思ったけど、相手が少しばてて、自分にもチャンスがあるなと思い始めた。途中で身体が動かなくなりそうだったけど、観客席からの応援がすごい力になった。だからこそ、勝ちたいという気持ちがすごく強かったけど、最後は取り切れない自分がいたので悔しい。
(中盤から押し出しで1点ずつ追い上げたことについて)点数を見る余裕はなかったけど、着実に点を取り続けていこうという気持ちで押し出していました。(一時は6-7まで追い上げたことについて)あと1点では逆転できなかったので、2点を取りにいかなければならなかった。かぶり返しを打ったら逆転もあるのかなと思っていたんですけど…。日の丸を掲げてウイニングランをしたかった。自分にはまだその資格がなかった」
■男子フリースタイル65kg級3位・清岡幸大郎(カクシングループ=準決勝でインドのスジート・カルカルに敗れるも、3位決定戦でイラン選手を撃破)「3週間前、(右)足の内側の内転筋を痛め、タックルもできなければ、(相手の)タックル切りもできなかった。『自分のやっていることはレスリングと言えるのかな?』と疑問を抱きながら、とにかく組み手ばかりやっていました。
けがをした時点で、『タックルに入れなくても、組み手だけでも優勝してやろう』とも思っていました。名古屋に出発する直前の練習で(同じ箇所を)また痛めてしまった。自分の調整ミスです。練習しすぎた部分とか、そういうことだと思っています。自分にとって大きな、乗り越えるべき試練なのかな、ととらえてやりました。これから、ドクターにしっかり診てもらい、しっかり治して天皇杯(全日本選手権)は万全な状態で出られるようにしたいと思います」
■男子フリースタイル125㎏級・山本泰輝(自衛隊=初戦で23・25年世界王者のアミール・ザレに完敗。敗者復活戦に回るも、トルクメニスタンの選手に敗北)「どの外国人とやるときにもチャレンジャーの気持ちなんですけど、相手は世界王者だったので、よりいっそうチャレンジャーの気持ちで挑んだ。でも、あんな感じになりました(0-10のテクニカルスペリオリティー負け)。
圧が強いということは知っていたけど、その圧だけじゃなくて、組み手、タックル、フェイント…、そして、うまさより速さにビックリしました。もう全部すごいんだなと思って。(自分からも何度かアタックを仕掛けたことについて)全部、死にもの狂い。でも、その場しのぎみたいな攻めだったんで、結局取れなかった。やっぱりあの圧に耐えられるようにならないと、闘えないと思う。かといって、スピードが遅かったら、あの速さにはついていけない」
■男子フリースタイル125kg級・ナムバルダクワ・バドバヤル(モンゴル・育英大=3位決定戦でシャミル・シャリポフに0-9で敗北)「練習がまだ足りないことがよく分かる大会でした。特にディフェンスの部分が全然できていなくて、簡単に足をさわられたり、ポイントを多く取られてしまった。(3位決定戦まで進んだことについて)まだまだ全然。僕より強い人はいっぱいいる。たまたま、いいブロックに入って勝ち進んだけど、結局、1ポイントも取れずに負けてしまった。これからまた頑張ろうと思います。
(今後の課題は)海外のほかの選手と比べると、ぽっちゃりしているので、もうちょっとトレーニングを頑張りたい。あと、同じ大型の選手にどうやって攻めることができるのか、ちゃんと考えてやります。(今、大学4年生)卒業したらモンゴルに戻ってレスリングを続ける予定です。身体の大きな練習相手もたくさんいます」