ギリシャ・カテリニで行われたビーチのU20世界選手権とワールドシリーズ最終戦に出場した日本チームが9月29日、成田空港着のトルコ航空で帰国した。U20世界選手権の女子50kg級で山本はるあ(東京・安部学院高)が銀メダルを取った。シニアでは5位が最高でメダルはなかった。
チームで唯一のメダルを取った山本は「試合前の監督やコーチからのアドバイスや、試合中のアドバイスで自信を持って試合をすることができました。優勝できずに悔しい気持ちもありますが、素直にうれしいです」と喜びの声。
決勝は、昨年のシニア・ワールドシリーズ大会で2度優勝しているビーチの強豪が相手。0-3のテクニカルスペリオリティで敗れて実力差を見せられた。他の選手とは力勝負にならないよう、組み手などでうまくかわすことができたそうだが、この選手は「技術がすごくてかわすことができず、力の差を感じました」とのこと。現段階での敗戦はやむなし、という状況だったようだ。
一昨年のU17アジア選手権で2位に入るなど、マットの上でのレスリングで世界へ出るのが目標。それに役立てるためビーチにも取り組んだとのことだが、「楽しかった。機会があれば、また出てみたい」と話し、今後も砂の上で活躍するかもしれない。
天野雅之監督(中央大学職員)は「U20で銀メダルを取れてよかったと思う反面、金メダルを取れた可能性があったので残念でした」と悔しそう。銀メダルに終わった山本、シニアであと一歩で準決勝進出を逃した淺野稔理(慶大)ともウクライナ選手に負けており、同国は戦禍の中にもかかわらず、かなり強化していることを実感。
早めにギリシャ入りして合宿を行い、大会に臨んでいたそうで、並々ならぬ意欲を感じたそうだ。他にも、アゼルバイジャンやジョージアなどマットの上での強豪国が「メダルの常連になりつつあることを感じた」と言う。
両部門でアジアから参加したのは日本だけ。4月のアジア・ビーチゲームズでは27ヶ国がエントリーしただけに、やや寂しい状況だったが、「その分、注目され、ヨーロッパの国との交流ができたのはよかったです」と話し、アジアの盟主へ向けての気持ちも盛り上がった様子。
このあと、ユース・オリンピック(11月7~8日、セネガル=レスリングはビーチのみを実施)を控えており、勝たせることで「ビーチの日本」をアピールする腹積もりだ。
阿部宏隆コーチ(茨城・水戸スポーツ少年団)は「全体的に前に出る圧力が足りなかった」と課題点を挙げた。マットの上でのレスリングでも前に出る圧力が必要だが、それはビーチでも同じ。強い国の選手は前に出る力が強かったそうだ。マットの上と砂の上とでは、圧力のかけ方は多少違うが、「基本は同じだと思う」と言う。
ビーチの国際大会に初参加だった選手は、そうした相手の圧力の強さに戸惑っていたようで、「やはり経験が必要ですね。経験不足を感じました」と話した。
■シニア女子60kg級5位・淺野稔理(慶大=東日本学生連盟委員長)「負けた試合は何もできなかったです。勝った試合とは全然違いました。でも、学びの多い試合になりました。ビーチは、チーム(慶大)でビーチに取り組む選手が多かったので、その流れもあって出ました。(4年生なので)このあともやるかどうかは分かりませんが、いい経験になりました」
■シニア男子80kg級5位・瀧澤勇仁(慶大)「1回戦はラスト10秒くらいで逆転勝ち。2回戦はコーションによる0-1の負けという内容。チャンスを生かし切れなかったです。マットと違って踏ん張り切れず、膝(ひざ)やひじをつくリスクもあって、慣れていなかったです。ここを取れるようになれば、マットでのレスリングにも生かせると思います。世界に出られる可能性も大きいし、今後も機会があればビーチに出たい」
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