インドのメディアは、6月に開催されたU17の国内選手権において、1200人のエントリーのうち、約500人が年齢詐称の疑いがあるとして失格処分となったことを報じた。この問題はレスリングだけでなく、インドのスポーツ界に深く根付いている問題であり、専門家は「ドーピングと同様の緊急性を持って対処すべき課題」と指摘しているという。
世界的には、医師の出産証明書などによって公的機関が戸籍や出生証明書を作り、誕生日が確定されている。身分証明書やパスポートの生年月日も、それによって作られているが、そうした国ばかりではない。国連児童基金(UNICEF)の報告によると、世界の子どもたちの3人に1人は公式な出生登録がない状態だという。
インドでは、出生登録制度が確立しておらず、選手に関する一元化されたデータベースが存在しないため、悪質な保護者やコーチが年齢を偽ったり、制度の不備を悪用したりすることが簡単にできるという。
過去にも、クリケットで10代前半の選手が彗星のごとく飛び出したとき、ネット上でその年齢を疑う声が飛び交ったことがあったそうだ。したがって、シニアの年齢の選手がU20やU17の大会に出場することが比較的容易で、こうした問題が起こっているもよう。過去、ロシアのレスリング界でも同様の問題が指摘された(クリック)。
インド・レスリング協会では、こうした事態に対応するため、6月の大会で参加者に対し、通常の出生証明書に加え、携帯電話番号と紐付けられた「アーダール・カード」(生体認証付き個人識別番号カード)の提示と、ワンタイムパスワードによる本人認証を実施。500人以上に不整合があり、試合から除外したという。
スポーツ界の年齢詐称に関するスポーツ法弁護士のアーナ・メーロトラ氏は、ロイター通信に対し「これは蔓延している問題です。年齢詐称は、年齢区分別の競技が行われるほとんどの種目に見られます。特に『サブ・ジュニア』や『ジュニア』といった低年齢層のレベルで最も深刻です。こうしたレベルでは、成功による見返りが大きい一方で、監視の目は行き届きにくい」と話している。
インド協会では、レスリング界から年齢詐称を根絶することを宣言。U15・17・20の大会では前記のシステムを導入することとし、インド個人識別番号局(UIDAI)に対しても管理を厳格にすることを要請したという。
最近、インド女子の勢いがすごかったが、もしかしたら一世代上の選手と闘っていたのかもしれない。