2026.07.09NEW

【直言! 過去・現在・未来(21)】スタートするシングレット革命、時代にそぐわない協会旗も変えましょう!

(文=編集長・樋口郁夫)

 今月23~26日のインターハイ(和歌山・那智勝浦町)からシングレット革命がスタートする。全国高体連レスリング専門部が、現在のシングレットを「ださい」、女子の場合は「恥ずかしい」という声があることに対応。グラップリングで着用されているようなラッシュガードの使用を認めることとした。

 競技人口の減少に歯止めをかけ、若者に受け入れられるスポーツへの変革を目指す同専門部の試み。従来の概念にとらわれず、新しいことにチャレンジする決断に拍手を送りたい関連記事)。

 当面、高体連主催の大会に限るとのこと。来月の全国高校生グレコローマン選手権は日本レスリング協会の主催なので見送られるが、ファッショナブルを求める時代の流れは止められないだろう。いずれ、すべての世代でユニホームの自由化が進んでいくのではないか?。

 本来なら、同時期に行われる全国少年少女選手権でもラッシュガードの使用が見られるはずだった。全国少年少女レスリング連盟は3月の理事会でユニホームの自由化を決議し、ホームページで公示。全国大会での自由化を見越して試合着を注文したチームもあったという。

 しかし、全国大会は日本協会の主催。6月の日本協会理事会で提案されず、承認されていないので実現しないという。承認申請を忘れたのか、その他の理由があったのかは、同連盟役員から明言をもらえなかったので不明だが、しかるべき手続きをとって早急に実現してほしい。

若い選手が今の協会旗にプライドを持てるのか?

 それとは別に、大会の度に「これも変えましょうよ」と思うのが、日本レスリング協会の協会旗(下記)だ。Vの文字を形とったのだと思うが(日本の「ニ」と、レスリングの「レ」を形作ったという説もあるが、詳細は不明)、シングレット以上に現代に受け入れられない“骨董品”と言えやしないか。このマークに、“レスリング人の誇り”を感じている人がいたら教えてください。

 いつから使われたのか定かでないが、レスリングを連想させるものが何も入っていない。国際レスリング連盟(FILA)が名称を変えたのは、フランス語の「Fédération Internationale des Luttes Associées」という名称に、世界で使われている「レスリング」の競技名がないからだった。スポーツ界は、以前はフランス語が主流だったが、いつしか世界の流れに合わせて英語が主役へ。フランス語でレスリングを表す「Luttes」では世界的に通用しないので、「wrestling」の言葉を入れたのは必然の流れ。それに合わせて連盟旗も変えた。

 世界のレスリングニュースを日々追いかけている筆者は、各国レスリング協会のロゴマークを頻繁に目にする(文末参照)。多くの国が、一目でレスリング団体のマークであることが分かる。まさに意匠(デザイン)。個人的な感想だが、パリ・オリンピックを機にロゴマークの刷新を行ったフランス協会のものは、Tシャツの前面いっぱいにプリントされていても通じるし、現代に最も必要なSNSでの映え方も考慮されている。

▲2014年、FILAからUWWへ変更

歴史を継承しつつ、現代的に洗練された協会旗を

 旗やロゴマークは団体を代表する“顔”であり、象徴だ。プロレスやプロ野球の試合会場へ行くと、団体や球団を象徴するマーク入りのグッズが多く売られている。新日本プロレスならライオン・マーク、読売巨人軍なら「YGマーク」ほか。ファンは、それらを手にすることでファンであることに誇りを持つ(筆者も学生時代、ライオン・マークの入ったTシャツやトレーナーを着ていました^^)。象徴は、伝統を重んじる必要はあるが、歴史を継承しつつ現代的に洗練されたものでなければなるまい。

▲1951年(左)と2022年のプロ野球12球団の球団旗。時代の流れに合わせて変わっている

 今の協会の体制ではありえないと思うが、収益獲得のため大会などの記念ハンカチやTシャツを売り出したとして、Vマークの入ったグッズを買おうという気持ちになるだろうか。若者受けするハイセンスなマークであってこそ、手に入れたくなる。選手・関係者が誇りに思えるマークなら、新規ファン獲得やスポンサー獲得のためにもプラスに働くだろう。

 汗くさく、泥くさく、ファッションには無縁、勝つことだけを求める時代は、はるか昔に終わっている。そんなスポーツに取り組む若者や、応援する人は絶滅する日が近い。築いた栄光をアピールしつつ、時代の最先端を行く協会旗・マークに変えてくれることを節にお願いしたい。

 ただ、平均年齢60代後半になる協会幹部は言うに及ばず、50代の理事であっても、ファッションセンスは筆者と似たり寄ったりだろうから(筆者よりはましか…)、若者受けするものができるとは思えない。若い人間(男女)が中心となり、その感性のもとで変えてほしい。

 2032年には協会創立100周年の節目を迎える。現在の協会旗を丁重に天国へ送り、新時代の協会旗をスタートするタイミングだと思う。いや、そこまで待つ必要もないし、待ってはなるまい。改革の遅れは、後退を意味する。1年でも早く若い執行部がスタートし、実現することを願いたい

各国協会の協会旗、またはシンボルマーク
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