2026.10.26NEW

【2026年全日本大学グレコローマン選手権・特集】研究と対策の成果を発揮して大学王者へ、次は全日本王者を…87kg級・小玉龍舞(神奈川大)

 アジア大会王者の吉田泰造(日体大)が不出場だった2026年全日本大学グレコローマン選手権の87kg級は、全日本選抜選手権3位だった小玉龍舞(ろんど=神奈川大)が優勝。同大学から12年ぶりのチャンピオンになるとともに、飛躍のきっかけをつくった。

▲2年生で大学王者へ。今後の飛躍が期待される小玉龍舞(神奈川大)

 小玉は「グラウンドの攻防のほか、後半のスタンド戦での体力戦が課題だった。この大会に向けて、体力づくりと、グラウンドをしっかりと練習してきた。試合に出せてよかった」と振り返る。

 その成果がはっきり表れたのが、準決勝で闘った昨年2位の鬼塚一心(日体大)戦だろう。第1ピリオドを0-2とリードされたあと、「予想していた」と言う鬼塚のリフト攻撃をカウンターで返して1-2。さらにニアフォールへ追い込んで3-2と逆転。

 第2ピリオド50秒で3-3と追いつかれたが(自分有利)、そのあとの鬼塚の執拗な攻撃を耐え、3-3のスコアのまま振り切った。グラウンドの攻防、終盤の体力とも思っていた通りの展開での勝利。

 鬼塚には昨年のJOCジュニアオリンピック決勝で、2分7秒、0-8でテクニカルスペリオリティ負けしていた。この1年半の間にその差を埋め、追い越したのだから、その成長は目を見張るものがある。

▲1年半前にテクニカルスペリオリティで敗れた相手にリベンジ。急激に実力をつけている

 それを指摘されると、「運がいい、という面があると思いますが…」と謙そんしながら、「試合に向けて、きちんと準備してきたのが、今回の勝ちの要因だと思います」と、課題の克服と相手の対策の成果を強調した。

全日本選手権は82kg級でチャンピオンを目指すか

 決勝の田原想羅(育英大)戦は、序盤にテークダウンとローリングで4点を挙げ、そのポイントを最後まで守り切った。このときは、「相手は体力のある選手」ということを知っており、後半勝負になってはまずいと判断。「先にポイントを取って、あとは防御に徹し、すきを見て攻める」という作戦を立て、開始直後の猛攻でポイントをゲット。その後は思い通りの闘いを展開した。

 準決勝も決勝も、相手の得意な攻撃パターンや特性をしっかり研究しての勝利。闘いは、試合前から始まっていることを感じさせてくれた優勝だった。

▲先制攻撃がさえた決勝。相手の左腕を殺してのローリングを決めて4-0とした

 この勢いを全日本選手権に持ち込み、5月の全日本選抜選手権で負けた吉田泰造へのリベンジに挑むと思われたが、「まだ(全日本では)87kg級で闘うだけの実力はないと思いますので」との理由で、「たぶん」と前置きしながら、82kg級に出て「全日本王者」という肩書きを目指すようだ。

 高い壁に果敢に挑むこともいいが、自分の実力を冷静に見つめつつ、段階を追って実力アップを目指すやり方があってもいい。小玉は後者のやり方で、2028年ロサンゼルスを目指す!