2026.10.21NEW

対立が激化し、スタンカ・ズラテバ会長が退任…ブルガリア協会

 ブルガリアのメディアによると、内紛とも言える状況が続いていたブルガリア協会は10月17日、ソフィア市内で総会を開催し、トドル・アンゲロフ氏を新会長に選出した。2025年3月の総会で、満場一致で選ばれた初の女性会長、スタンカ・ズラテバ氏(世界選手権5度優勝)の政権は、約1年7ヶ月で終わった。

 総会は怒号が飛び交った様子で、ズラテバ会長は「引き受けたすべての公約を果たした。男性優位のスポーツ界において、偽善や裏切りを目の当たりにしてきた」とスピーチ。

 その後、反ズラテバ派の人物が議長となって会が進められ、ズラテバ会長の支持者は登録リストの誤りの疑義を訴えたが認められず、抗議の意を示して退席。執行部の理事およびズラテバ会長の解任案が承認され、新会長を選ぶ投票結果は、「94票」の満場一致でアンゲロフ氏が勝利。しこりが残る新会長選出だったようだ。

▲志半ばにして会長職を退任することになったスタンカ・ズラテバ会長=フェイスブックより

 ズラテバ前会長は結果に異議を申し立てる意思定はないことを表明。「他者の人生がどうなろうと構わず、手段を選ばずに相手をつぶそうとする人々の姿を目の当たりにした。私は最後までブルガリアの子供たちのレスリングを守ろうとした。だれも裏切っていない。今後、連盟には一切関わりたくない。安堵の気持ちで去ります」とコメントした。

 元会長のバレンチン・ヨルダノフ氏(1996年アトランタ・オリンピック優勝)らの支持を得ていたトドル・アンゲロフ新会長は「大きな責任です。あらゆる手段を尽くして前進し、成功をおさめます。私たちは若者に投資していきます」とあいさつした。

クリーンな財政を主張したスタンカ・ズラテバ会長だが…

 ズラテバ前会長は、会長就任後、多大な借金を背負っている前執行部の不透明な資金を追及し、ロシア選手の帰化に関して不正な買収疑いがあるとも告発。「協会が、なぜこんな借金を背負っているかを説明するべきだ」と、一貫してクリーンな財政を主張。

 一方、純粋なブルガリア選手を育てるとして、帰化した選手を排除するような方針を掲げ、選手と対立。メディアや合宿地ではブルガリア語の使用を義務化し、帰化選手を中心とした強豪選手をナショナルチームの合宿に参加しないことを理由に世界選手権の代表を外し、現場からの反発があったのも事実。前執行部の人間との対立が顕著となっていた。

▲男性ばかりという感じの総会。初の女性会長として奮闘したズラテバだが…=ズラテバ前会長のフェイスブックより

 ズラテバ前会長は、会長としての最後の職務として、総会の前日に世界レスリング連盟(UWW)に対し、ナショナルチームの合宿に参加しなかったことを理由に10月24日からの世界選手権(カザフスタン)にエントリーしなかった下記の選手を、ブルガリア協会の内情を加えて追加エントリーの申請を行った。

セメン・ノビコフ=2024年パリ・オリンピック・男子グレコローマン87kg級優勝(元ウクライナ)
キリル・ミロフ=2026年欧州選手権・男子グレコローマン97kg級優勝
エドモンド・ナザリアン=2026年ドイツ・グランプリ・男子グレコローマン67kg級2位(父親が元アルメニア)
ステファン・グリゴロフ=2026年欧州選手権・男子グレコローマン55kg級3位
アブ・ムスリム・アマエフ=2026年ドイツ・グランプリ・男子グレコローマン72kg級3位(元ロシア)

 本来、選手の交代は最終エントリーまで認められるものの、追加は認められない。今回は、特例として何人かは認められたもよう。