2026年U23世界選手権に出場した男子グレコローマン・チームが10月16日、成田空港着のユナイテッド航空で帰国した。「銀1・銅2」を獲得し、国別対抗得点は50点で10位。昨年の35点、12位を上回った。
チームで唯一決勝に進んだ63kg級の中村真翔(育英大)は、1-1での惜敗だった(チャレンジ失敗で最終的に1-2)。「自分のグラウンドの攻撃で反則があり、(点を取れなかったので)とても悔しい」と第一声。一方、4大会目の国際大会で初めてメダルを取れたことは、「素直にうれしい」と言う。
決勝の相手は、シニアのアジア選手権で2位になっているほか、ランキング大会でも上位に入っているイラン選手。その選手とここまで闘えたのは、「いい経験だったし、自信になります」とのこと。準決勝までも、昨年のU20世界王者のアゼルバイジャン選手やU20欧州王者のロシア選手を破っている。ロシア選手には昨年のU20世界選手権で負けており、リベンジに成功。「自分の成長を感じます」と言う。
昨年9月のシニア世界選手権で肩を負傷し、手術で戦列を離れた。その期間、自分のレスリングを見つめ直すことができ、「決して無駄(なブランク)ではなかった」ことを強調した。
今後は、ロサンゼルス・オリンピック(LA2028)を目指して階級の選択が必要。現段階で考えているのは、今年12月の全日本選手権はこの階級で結果を出し、来年の全日本選抜選手権でオリンピック階級に変えること。LA2028をしっかり見据え、さらなる実力アップを目指す。
藤山慎平監督(九州共立大監督)は「日本のグレコローマンのレベルが上がっていることを感じました」ときっぱり。以前なら、グラウンドの防御になってワンアクションで終わり、という試合も多々あったが、しっかり守れるようになり、「ロシア」などに名前負けしていた選手もいなかったという。
日本選手の攻撃を警戒し、脇を固めて防御に徹してきた選手や、研究してきたことが分かるような選手もいて、日本選手は“マークすべき国の選手”になっていることを感じたそうだ。「強豪国のひとつに日本が入りつつありますね。重量級もしっかり闘えていました。日本グレコローマンの明るい未来を感じました」と、選手の健闘をたたえた。
角雅人コーチ(自衛隊)は「勝負どころで勝負できた選手が、結果を出していた。勝つ形を持っていることが大きい。結果が出なかった選手は、まず自分の形をしっかりと作ることが大事」と要望した。
今大会は中軽量級の選手がメダルを取ったが、先のアジア大会では重量級の選手が金メダルを取るなど、重量級で活躍したコーチとして、うれしい状況になっている。「(若い世代へは)指導のチャンスが多いわけではないが、できるだけのことを伝え、重量級も世界で通じるよう、しっかり指導していきたい」と、全世代での重量級の実力アップを目指す。
■60kg級3位・德原誠馬(専大)「メダルが取れてホッとしている面がありますが、去年、五味(虹登)選手が優勝した階級で、五味選手に勝って出ているので、優勝したかった。4年前に姉(德原姫花=自衛隊)が優勝しているので、姉弟での優勝を目指していたこともあり、悔しい気持ちの方が大きい。
負けたカザフスタン選手は、グラウンドのディフェンスに動きが固まってしまいました。初めての国際大会だったので、海外選手の力強さ、自分の動きが止まってしまったときの相手の技術の高さを感じました。(敗者復活戦へ向けて)気持ちは少し落ち込みましたが、最低限、メダルを取ろうと思って頑張りました。すぐ全日本大学グレコローマン選手権があるので、優勝できなかった去年の分も頑張り、主将としてチームを引っ張りたい」
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■67kg級3位・鈴木飛来(育英大)「(銅ではなく)優勝したかった、という気持ちが大きいです。最後の投げ技で勝ったと思いましたが(チャレンジで判定が変わる)、詰めの甘さ、勝ち切れないところが改善すべき点なのだと思います。(気持ちの立て直しは)正直なところ、切り替えられなかったです。3位決定戦でも最初は気持ちが乗らず、リードされて『やばい』とスイッチが入り、最後は気持ちが入って逆転できました。このときは自分のよさが出たと思います。
去年のU20世界選手権は3位決定戦で負けていました。国際大会を経験するごとに成績が上がっていますが、試合内容は守りに入っていました。ただ、勝った試合の相手は、すべて最後にばてていて、逆転することができた試合です。そこが自分の強みだと思いますので、来年、リベンジしたい。まず天皇杯で頑張りたい。シニアで勝てなければ、意味がない」