(2026年10月1日、愛知・名古屋市稲永スポーツセンター/取材=布施鋼治)
■男子グレコローマン97kg級優勝・仲里優力(松尾建設=日本人選手としてアジア大会史上、最重量級での優勝を飾る)「まだ不思議な感覚です。ぶっちゃけて言うと、自分でも優勝できるとは思っていなかった。組み合わせが出たときも(初戦の)カザフスタンの選手と、(勝てば次戦で当たる可能性が高かった)イランの選手は自分より格上。しかも、カザフの選手には今年のアジア選手権で40秒ぐらいでテクられている。
組み合わせが発表されたとき、くじ運は悪いと思いました。それでも、メダルは取りたかったし、応援してくれている人にカッコいいところを見せたかった。今回は(日本開催ということで)声援もいっぱいあった。本当に自分の実力で取ったとは思っていない。運も引きつけることができたと思うし、応援してくれている人や、支えてくれている人のおかげで、いつもの2倍ぐらいのパワーが出たんじゃないかなって思っています。海外でのアジア大会だったら絶対に負けていた。うれしいっていうよりか不思議な感覚で、本当に優勝したんだっていう感じですね」
■女子62kg級優勝・尾﨑野乃香(慶大OG=前回大会の2位を上回り、アジア大会で初優勝を飾る)「キム・オクジュ選手との決勝はタフな試合になるだろうと予想していました。前回(2025年のアジア選手権で)負けている相手なので、自分が挑戦者と思いつつ挑みました。国際大会は何であれ、すごく気合が入ります。決勝戦もそうで、終始集中しながらできたんじゃないかなと。相手の頭を落とせたかなと思います。結果は3-0ですけど、結構崩せていたので、相手が何もできない状態を長い時間作れたことが勝因かなと思います。
(無失点での優勝について)確かにそうですね。(指摘され)分かった感じですけど、それだけディフェンスと攻めのバランスがよくなったのかなと思います。(ロサンゼルス・オリンピックの選考レースについて)オリンピックになると、全員が別人になってくる。前回、それを経験している。ここまでの(結果)は本当に忘れた方がいいぐらい。相手のことも自分自身のことも。(自分との)向き合い方も見つめ直そうと思いますね」
■男子グレコローマン77kg級2位・日下尚(マルハン北日本カンパニー=強豪ぞろいのブロックを突破するものの、決勝で力尽き準優勝)「自分が弱かった。勝負しなければならないところで負けていた。(初戦からマフムドフ、2回戦でジャドラエフといった因縁深い強豪との対戦が続いたことについて)これで優勝したら最強を証明できると思っていた。そのためにやってきたんですけど、戦い抜く力がなかった。やっぱり決勝にフォーカスしきれなかったというか…。
まあ何を言っても言い訳になってしまいます。自分では決勝も集中してやっているつもりだったけど、初めに無駄な失点があって、それで一気にペースを崩してしまった。自分自身に甘えているところが、こういう場面で出ると思った。苦しい場面でも攻め続けることができるのが自分のよさだったけど、そこで負けてしまった。本当に最悪ですね。2年後のロサンゼルス・オリンピックに向けて、全力でやっていくしかない」
■男子グレコローマン60kg級3位・鈴木絢大(レスター=3位決定戦で勝ち、前回大会に続いてのメダルを獲得)「(逆転勝利について)試合の序盤は自分がちょっと硬かったけど、松本慎吾監督や松本隆太郎コーチのアドバイスのおかげで、自分の形を存分に出そうと思った結果かなと思います。
(2回戦の敗北のあと、気持ちの切り替えは)会社の方だったり、地元(静岡)の友達だったり、家族だったり、高校の恩師だったり、いろいろな人たちが会場に来てくれているというのもあった。国内で国際大会が開かれるなんて、なかなかない。マットをしっかり楽しもうと思い、最後の1試合はやり切りました。世界選手権でも軽量級や中量級はアジアが1位から3位までを独占することがざらにある。そのアジアの中でメダルを取れたということは、自分にとってプラス材料かなと思います」