2026年全日本学生選手権の男子は、最重量級でバドバヤル・ナムバルダグワ(育英大)が両スタイルを制覇。男子グレコローマンは2連覇、男子フリースタイルは4連覇を達成した。各4試合、すべてフォールかテクニカルスペリオリティという内容で、総スコアはグレコローマンが40-5、フリースタイルは41-1。昨年まで山梨学院大にいたカザフスタンからの留学生アビット・ソビレイが卒業したこともあり、接戦のない優勝だった。
11月の全日本大学選手権では時たま誕生する4連覇だが、この大会の4連覇は2002年の小幡邦彦(山梨学院大=現同大学監督)以来、24年ぶりの快挙となる。ナムバルダグワ「ふだんはフリースタイルを中心に練習している。学生最後の年なので、やはり勝ち切りたかった」と話し、記録を少しながらも意識しての最後のインカレだった。
フリースタイル決勝の織山昭成(中大)戦は、最後こそフォールへ持ち込んだが、やや攻めあぐんだ感もある内容だった。それを指摘されると、「多くの課題に取り組んでいる。それを試してみたかったので」と説明。勝つだけなら、もっと簡単に勝てたかもしれないが、これから世界へ飛躍するにあたって必要な闘いに挑んだ結果の“苦戦”。「最後はフォールで勝てたので、(もたついたが)よかったです」と話した。
この強さなら、10月の全日本大学グレコローマン選手権(東京)と11月の全日本大学選手権(大阪)も勝つ可能性は十分。2010年の岡太一(拓大)以来誕生していない学生4冠王者も見えてきた。インカレ4連覇と四冠王の双方の勲章を手にした選手はおらず、前人未到の大記録がかかる。しかし、アジア大会(名古屋市)と世界選手権(カザフスタン)のモンゴル代表にもなっているので、秋のスケジュールはハードだ。
アジア大会は両スタイルの代表なので、9月30日と10月2日が試合。やや間があって10月23~24日に全日本大学グレコローマン選手権。すぐにカザフスタンへ飛んで10月30~31日に世界選手権(男子フリースタイル)に出場。帰国して11月14~15日に全日本大学選手権。
減量がないからできる芸当かもしれないが、大学とモンゴルのため八面六臂(はちめんろっぴ)の活動。充実した大学生活最後の秋になりそうだ。
第2の故郷・日本で行われるアジア大会には「かなり気持ちが入っている」と語気を強める。今年4月のアジア選手権(キルギス)では両スタイルとも初戦敗退だったので、アジア大会でしっかりリベンジしたい気持ちがあり、「自分のやってきたことを出せるように頑張りたい」と言う。
日本選手には信じられないかもしれないが、「足腰の力が弱いので、体力トレーニングをしっかりやりたい」と課題を挙げた。
その先に見ているのはロサンゼルス・オリンピック。来春の卒業後はモンゴルに戻り、企業の支援のもとで夢を目指す予定で、1980年モスクワ大会を最後に途絶えているモンゴル男子のメダル獲得へ突き進む。