2026.08.13NEW

【特集】東の王者・日大の十日町合宿に、西の王座奪還を目指す同志社大が参加

 今年の西日本学生春季リーグ戦で4位まで復帰し、低迷脱出の光が見えた同志社大が、8月5日から行われた東日本の王者、日大の十日町合宿に参加。実力アップを目指した。

 同大学の練習は、基本的に選手の意思を尊重する。この夏の合宿の希望を聞いたところ、那智勝浦での合宿(クリック)と十日町の合宿とに分かれ、8人が十日町合宿に参加。そのうち半分は8日朝練習で京都に帰り、残りは8日午後練習のあと東京へ移動し、慶大や青山学院大での練習に参加して京都へ戻った。

▲東日本王者の合宿に参加した同志社大の8選手=チーム提供

 74kg級のレギュラー選手、西日本学生新人選手権3位の川村隆真(1年)のように、両方の合宿に参加した選手もいて、西日本の覇権奪還に向けて並々ならぬ意欲を見せている。

 十日町合宿に選手を引率した岡本裕コーチ(同大学OB)は、全国社会人オープン選手権に出場するなど“現役”だった10年前、ここでの合宿に参加し、金メダル坂を経験している。2014年全日本大学選手権で日大が優勝し、同志社大が2014年秋季に24年ぶりに優勝。「それを機に練習に参加させてもらった」そうだ。

 その後、合同合宿の機会がなかったが、「縁があったら、また合宿をお願いしたい」と思っていたという。そんな矢先、神奈川・日大藤沢高から選手2人(大田譲=2年、齊藤元章=1年)が加入。高校時代に十日町合宿に参加したことがある2人の「また参加したい」という希望もあって、11年ぶりの合宿参加が実現した。

▲関東に“里帰り”した大田譲。かつての練習仲間が多くいた

ときに同志社大の選手がトップでゴール…登り坂ランニング

 大学の練習場の近くにも坂道があるそうだが、岡本コーチによると「選手は行きたがらないんですよね」と苦笑い。同コーチ自身が金メダル坂のランニングを経験しているので、「しんどいよ」と選手に伝えていたそうだが、それでも参加を選んだ選手がいたことに満足そう

 坂道を走る練習が心肺機能の向上に役立つことは言うまでもないが、程度問題もあり、ひざの悪い選手に勧められないことは確か。ケース・バイ・ケースだが、岡本コーチは「合理的な練習も必要だけど、非合理的な猛練習に挑み、そこから身につくこともある。こうした練習も、時には必要と個人的には思う」と言う。
 
 8日朝に行われた登り坂中腹から合宿所までの約350メートルのインターバル・ランニング10本は、10選手くらいずつ走るが、ときに同志社大の選手がトップでゴールすることもあった。「力を出し切って練習していると感じました」と、参加させた価値があったと見ている

▲那智勝浦合宿と両方に参加した川村隆真(紫)

 マットワークでも日大の選手に積極的に挑む姿が見られた。大田譲(前述)のような神奈川県でレスリングをやっていた選手は、日大に進んだ選手の中にキッズ時代の練習仲間が何人かいる。西日本の選手の“弱点”とも言われる「東日本の大学の選手に対して臆するところ」がないそうだ。

 ただ、岡本コーチの目には、日大選手の気持ちの強さが伝わってきた。「技術面もさることながら、メンタリティに大きな差を感じます。チャンピオン・チームのプライドだと思います」と話し、東日本の王座を奪取したチームから見習うべきことと強調した。

▲最近、相撲部から転入してきた江口尚太郎も奮戦

熱が冷えないまま全日本学生選手権へ…大田譲

 今年の西日本学生新人選手権70kg級2位の大田譲は、日大藤沢高校2年生のとき以来、3年ぶりの十日町合宿。「当時のハングリーさを思い出して、いい合宿になりました」と振り返る。金メダル坂のランニングは、日大の選手に離されることが多かったそうで、「ついていくのが精いっぱい。そこが、優勝するチームの選手との差だと思いました。反省しました」と言う。

 マットワークは、選手が多いので実績のある強豪選手が先にスパーリングをやる。「強い選手に勇気を出して練習を申し込まないと、練習できないんです」と話し、その雰囲気は同志社大では経験できないこと。

 逆に言えば、後ろに下がっていればスパーリングをやらなくて済むわけで、積極的にやらないと置いていかれるだけ。やる気のある選手がさらに強くなるムードが充満しており、“日大魂”を感じたそうだ

 この熱気を持ち帰り、「熱が冷えないまま全日本学生選手権(8月20~23日、東京・駒沢体育館)に臨みたい」と言う。この合宿の成果が、すぐに出るかどうかは分からないとしながら、「西日本の選手の中では、頭ひとつ抜け出る成績を残せるとは思います」と、自信を深めたようだ。

▲ビーチ・レスリングでも活躍中の小島怜恩

▲最後のマットワークまで残ったグループ。左から岡本裕コーチ、大田譲、小島怜恩、江口尚太郎