ロシア国内の試合で、相手の指に噛みつくという反則が飛び出し、その動画がSNSで拡散されている。
反則が出たのは、8月2日にモスクワ郊外で行われた男子フリースタイルのロシア選手権125kg級敗者復活戦で、バルダン・チジポフとニキータ・ハバロフの一戦。第2ピリオド、チジポフが顔のあたりにあったハバロフの手をつかんで噛みついた。
反則コーションの1点を取られただけに終わり、試合が続いてチジポフのポイント負けとなったが、動画では意識的としか思えない“噛みつきシーン”が映っており(下のインスタ)、ネットで拡散。「指を食べようとするなんて、かなり空腹だったんだね」「彼は敬意のしるしとしてキスをした」などといった声が挙がった。
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レスリングの試合を長く見ている人なら、防御のとき、ついうっかり相手に噛みついてしまったシーンに遭遇したことがあるはず。1997年世界女子選手権では、浜口京子がグラウンドの防御で噛みついてしまったことがあるし(注意のみ)、2017年世界選手権では高谷惣亮が相手に左腹にかみつかれ(相手の反則負け)、しばらく傷が残っていた。
2008年北京オリンピックで松永共広も押さえ込んだロシア選手から顔にかみつかれているし、女子初のオリンピック・チャンピオンのイリナ・メルレニ(ウクライナ)も、翌年の世界選手権決勝で押さえ込まれた際、相手の肩にかみついて歯形がくっきりと残っていた。人間には、必死になると、かみつく本能があるようだ。
しかし、この動画で見られるように、相手の手をつかんで自分の口に持ってくる例は珍しい。それでも、試合後はお互いの健闘を称えあって分かれたというから、必死さゆえと相手も納得か。
逆に、口に手を入れられたケースもある。2012年ロンドン・オリンピックで、米満達弘が相手選手から2度、口の中に手を入れられている。一見すると米満がかみついているように見え、米満に反則コーションが科せられた可能性もあった。
米満・現自衛隊コーチは、相手があきらかに米満の反則を誘発しようとした行動だったと解釈したようだが、「海外には、どうにかしてでも勝ちたい、という選手が多い。手を突っ込まれたからといって、自分から(ラフに)反撃しようという気持ちはなく冷静でした」と話しており、こうした気持ちの余裕が金メダル獲得につながったのだろう(関連記事)。
格闘技である以上、ときにラフ・ファイトが飛び出ることもあるだろうが、冷静さを失わないことが勝利の条件であり、スポーツマンの行動-。