2026.08.05NEW

2026年U17世界選手権(アゼルバイジャン)出場の男子フリースタイル・チームが帰国

 2026年U17世界選手権(アゼルバイジャン・バクー)に参加した男子フリースタイル・チームが8月4日、成田空港に帰国した。51kg級の牛窓勝心(京都・丹後緑風高)が銅メダルを取り、メダル獲得の伝統は守ったが、国別対抗得点は昨年の5位から10位に後退してしまった。

 最終日にメダルを取った牛窓は「イランの選手に負け、その選手が優勝した。金メダルを目指していただけに、銅メダルは悔しい」と振り返った。一方で、昨年もこの大会に出場し、3位決定戦で負けていたので、その壁を破ったことで「うれしい、という気持ちもあります」と言う。

 負けたアショフテフ・ベニャミン・ジャファー(イラン)は、5月のU17アジア選手権決勝で1-5で負けていた相手。2ヶ月後の再戦となった今回は7-8の1点差で、終了間際の猛攻がもう少し早ければ逆転できた試合。「ローリングの強い選手。今回はローリングは返されなかったけど、4点技を取られるなどしてしまった。1点差でも、負けは負け」と話し、黒星を受け入れた。

▲銅メダル獲得の牛窓勝心(京都・丹後緑風)と吉岡治監督(同高教)

 敗者復活戦に回ることになり、「何としてもメダルを取りたい、という気持ちでした」と、気持ちを立て直して手にした銅メダル。「世界1位、2位の選手にも手が届くかな」という実感があったそうで、欧州、中米、アジアと広範囲の選手との闘えたこともいい経験。昨年の大会より大がかりで雰囲気が違った中での試合だったことも含め、収穫の多い大会となったようだ。

 早生まれのため全日本選手権には出場できないので、今年の残りは国民スポーツ大会での優勝が目標。インターハイで優勝した柴原颯太(熊本・小川工)が牛窓との対戦成績で2連敗しているリベンジを宣言しているが、「リベンジされないように頑張ります」と話した。

「経験を積ませれば結果を出せる」…吉岡治監督

 吉岡治(京都・丹後緑風高教)監督は、銅メダル1個の成績に、「牛窓の3位決定戦の相手だったプエルトリコ選手には、アメリカのコーチがついていた。他の階級のプエルトリコ選手も強かったので、アメリカのコーチがかなり強化しているようだ。本格参戦のロシアも強かった。ここ最近にないレベルの高さだった」と振り返る。

 その中で、軽量級はメダルを取れなくとも惜敗が多く、重量級もこれまで以上に闘ってくれたことを評価。海外初試合という選手が初戦で敗れ、U15でアジア選手権に出場したり、今年5月のU17アジア選手権に出た選手は白星を挙げているので、「経験を積ませれば結果を出せるんじゃないかな、という気がします」と言う。

 国別対抗得点10位は、過去例がない成績。この成績については、「結果からすれば、そうなりますが、内容を見ると、悲観的になることはないように思います。ただ、惜敗でも負けは負けなので、強化していかなければなりません」と気を引き締めた。

▲成田空港での最後のミーティング

ロシアや中南米など世界が急速に伸びている…平井満生チームリーダー

 3スタイルを統括した平井満生(山梨・甲府城西高教)チームリーダーは、最初に「インターハイを欠場させて送り出してくれた所属の監督と保護者の方に感謝します」と、関係各位の理解に御礼の言葉。

 女子は各選手が力を発揮し、昨年の1階級優勝を上回る3階級を制したことを評価する一方、今年は中国が出ていなかったので、「出ていたら、どうなっていたか。安閑としてはいられない」と警鐘も鳴らした。

 両スタイルでメダル1個だった男子は、「危機感は感じます。世界が急速に伸びている。(復帰した)ロシアとベラルーシのほか、ウクライナも強く、中南米の国も強化している。日本はフィジカルの弱さと国際経験のなさから、勝ち切れない」と振り返る。

 ただ、僅差で負けた試合も多く、「その差を勝たせてやるのがコーチの役目」と言う。「やはり国際経験ですね」と話し、高体連レスリング専門部として選手が国際舞台で活躍できる場をつくりたい気持ちを話した。

 男子グレコローマンは3年連続でメダル「0」だったが、これも経験不足が原因と分析。2023年大会で吉田泰造(香川・高松北高=現日体大)が優勝したが、「吉田が飛び抜けて強かったのであって、あの年も他の選手は軒並み1、2回戦で負けているんですよ(吉田以外は1勝11敗)」と話し、2023年大会でも世界との差は大きかったことを指摘。

 高校からレスリングを始めた選手がインターハイで優勝するのは難しいのと同じで、グレコローマンの選手が世界の舞台で勝つには、キャリアが圧倒的に足りないと見ている。U15でグレコローマンがスタートしたので、「1年後、2年後の状況は変わってくると思います」と期待した。