沼津学園の時代から30回目の学校対抗戦出場を果たした静岡・飛龍が、2026年インターハイ学校対抗戦の準決勝へ進出。東京・自由ヶ丘学園に0-7で完敗したが、10年ぶりの3位入賞を果たした(2016年は準優勝)。
3回戦では、3月の全国高校選抜大会の王者(京都八幡高)を破って出てきた京都・丹後緑風を5-2で下す“殊勲”。上位入賞から遠ざかった10年の間、個人戦の王者は誕生していたが、学校対抗戦ではベスト8が最高だったので、殻を破る3位入賞だったと言えるのではないか。
自由ヶ丘学園への0-7のスコアは“想定外”だったと思われるが、井村陽三監督は「こてんぱでしたね。ここまでやられると、かえって気持ちよかったです」と、本心なのか、逆説の本心なのか分からない第一声。
戦力的には「一昨年や昨年のチーム力には及ばないな」という実感があり、もっといいチームの年もあったにもかかわらず、ベスト8の壁を破れなかった。それを考えると、準決勝まで勝ち進んだことに「よくやった」という気持ちがあるのは、まごうことのない本心だろう。
丹後緑風は、U17世界選手権出場のためレギュラー2選手(牛窓勝心、林絆斗)が不在だった。その2選手が出ていたら、星を落とした可能性はあり、その場合は3-4のスコアになったのか? 飛龍も65kg級の東海王者・本多世宝を負傷で欠いており、出ていればこの階級は取った可能性がある。
「たら、れば」の論争上でも勝ち抜いていた可能性はあり、選手は実力を出し切った3位入賞。井村監督は「悔しさもありますけど、うれしい気持ちもあります」と選手の健闘をねぎらった。
30回出場の区切りを好成績で飾れたことも、喜ばしいこと。組み合わせのよさや、丹後緑風が主力を欠く“追い風”など、目に見えない力に後押しされている感覚があり、「30回、頑張ってきたので、そのご褒美をもらえたのかな、と思います。神様がくれたのか…。もちろん、選手がくれたのだと思います。最高のプレゼントをもらいました」とも振り返る。
選手には、日ごろから「あいさつをしっかりしなさい、ゴミをきちんと拾いなさい。そうしたことをしないと運が回って来ないよ」と言っているそうだ。選手のそうした心がけの積み重ねが、「今回の結果なのじゃないですか」と微笑んだ。
井村監督は、すでに定年を迎えており、再雇用で勤務し指導を続けている。それも、今年を入れてあと3年。インターハイへの挑戦は、あと2回になる。インターハイ個人優勝は、オリンピック銀メダリストに成長した松永共広を含めて、のべ14人。全国高校選抜大会は学校対抗戦の優勝が1回あり(2002年)、個人王者も8人誕生させている。
今年の愛知・名古屋アジア大会にも、OBの鈴木絢大(現レスター)と山本泰輝(現自衛隊)が出場予定。指導者としてすばらしい実績だが、インターハイの学校対抗戦の優勝はない。
「あと2年。一度は優勝したい」。その言葉を実現させるためのベースが、今年の成績となるか。