準々決勝で躍進著しい宮崎・櫻美学園に4-3と危うい試合をしたものの、3月の全国高校選抜大会3位の大阪・大体大浪商が決勝進出を果たし、同大会準決勝で敗れた東京・自由ヶ丘学園へリベンジを目指した。だが1勝足りず、無念の準優勝に終わった。
西尾直之監督は「優勝したかった…」と悔しさを表した。近畿での大会ということで、「近畿のチームの監督から期待を感じていた。近畿から優勝チームを出そう、『近畿はひとつ』という合言葉のもとで、一丸となって合同練習などをやってきた。本当に応援してもらった」と振り返り、期待にこたえられなかった無念が胸をよぎるもよう。「本当に、あと一歩でしたね」と話した。
自由ヶ丘学園とは、今春だけでなく、2位になった2年前の準々決勝でも闘っており、そのときは4-3で勝っている。ただ、自由ヶ丘学園の55kg級の選手に計量失格があり、「ラッキーな勝利」だったと言う。
それでも勢いがつき、準決勝も勝って決勝へ進出。「正直なところ、決勝まで行けるとは思っていなかったんです」(苦笑)と、半信半疑の気持ちで立った決勝のマットだった。今年は夢心地の決勝進出ではなく、「本気になって(優勝を)取りにいきました」と言う。
勝負のポイントとなったのは、昨年のインターハイ55kg級王者の古澤大和を60kg級で起用し、昨年の60kg級王者の薬野柑太に当てた一戦だろう。昨年の個人戦王者同士の対戦が、チームの勝敗を分ける一戦であることは予想された。
試合は、古澤が1-0とリードして進んだものの、第2ピリオド、タックルで攻めたところをレッグホールドで返されて1-2と逆転された。その直後に加点されたアクティビティタイムの1点を含めて、2点の差を埋めることができなかった。
西尾監督は、古澤が攻撃を仕掛けたことを「返されたことは結果論。守って逃げ切ろうとせず、持ち味であるタックルを仕掛けたうえでの失点だった。攻めたことを評価したい」と褒め称えた。本人が責任を一人で背負っていたようなので、「『後悔することはない。責任を感じるな。攻めたことはすばらしい』と伝えた」とのこと。悔しさの中にも、選手の攻撃精神に救われた面があることは間違いない。
来夏にも実現させたい近畿初の全国王者だが、古澤だけでなく、65kg級の古川音和、71kg級の小林賢弥、125kg級の長谷川大和の3年生4人が抜けるので、厳しい闘いが待っている。ただ、現在、附属中学3年生で6月の全国中学生選手権優勝1人、準優勝1人が加入予定で、新戦力に期待できる。
西尾監督は、大阪から応援で駆けつけた選手を含めた全部員(22人)を相手にした試合後のミーティングで、試合に出なかった選手の目にも涙が浮かんでいたことを見逃さなかった。「あと一歩足りなかった先輩の試合を目の当たりにして、一緒に悔しさを感じてくれていた。『自分達がやる』という気持ちになってくれていたと思う」と期待する。
大学生から中学生までが一緒に練習する環境であり、大体大・湯元健一監督の世界レベルの技術指導が「チームに浸透している実感がある」とのこと。今大会でも、湯元監督が指導していた技を出して勝った選手もいたそうだ。「選手の技術レベルは間違いなく上がっています」ときっぱり。
自由ヶ丘学園は、全国高校選抜大会の決勝に進むこと3回、インターハイの決勝進出1回を経て、昨年の夏に初めて栄冠を獲得した。インターハイ学校対抗戦の優勝は、そう簡単な道ではない。2度の準優勝でベースはできた。大体大浪商が、「3度目の正直」で近畿勢初の全国優勝を実現させる-。