2016.11.04

日体大柏(千葉)のインターハイ優勝祝賀会が盛大に

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=増渕由気子)

 今年8月のインターハイで、創部2年目で学校対抗戦初優勝を飾った日体大柏(千葉)の祝賀会が11月3日、千葉県柏市のハート柏迎賓館で盛大に行われた。会には同校の系列大学である日体大の松浪健四郎理事長や前文部科学大臣の馳浩・日本協会副会長など約290名がかけつけた。

 インターハイは三笠宮杯という賜杯名がついている。先月末に亡くなられた三笠宮崇仁様に哀悼の意を示し、会の初めに全員で黙とうを捧げた。

 理事長あいさつで登壇した松浪健四郎理事長は「レスリングは長らくインターハイの公式競技になれなかった。インターハイの種目に入れてほしい、正式種目でなければ普及と強化に勢いが出ない、という話しを殿下にお願いし、殿下が賜杯を出すことで63年前から正式種目になりました。レスリングは三笠宮殿下と関係が深いことを知ってもらいたい」と三笠宮様のご逝去について触れた。

 松浪理事長は日体大柏の優勝について、「大澤(友博)監督に3年で日本一のチームを作ってほしいと頼んだところ、大澤監督は『2年でやりますよ』と言った。2年では無理だろうと思ったが、その言葉通り、2年で日本一のチームを作ってくれた。この偉業は歴史的なもの。精進して2連覇、3連覇してほしい」と今回の偉業を称えるとともに、今後の活躍にも期待を寄せた。

霞ヶ浦高(茨城)で23回もインターハイ優勝をしている大澤監督にとっては24度目の全国制覇だったが、苦労した一面もあった。強豪中学生や留学生を集め、スカウト面では即戦力の選手を多数揃えることができたものの、それだけで勝てないのがレスリングだ。

 大澤監督は「一人一人の個性が激しく、技術面や体力面で秀でていても、心の面では難しいものがあった。自分自身のことしか考えないというスポーツマンにありがちな個性があった。悩んでいた時に松浪理事長から『松平家の教え』という本を勧められ、これによって、なかなか一枚岩になれなかった子供たちをまとめることができました」と全国制覇の裏にあった苦労と転機を振り返った。

 続いて、「この生徒たちはオリンピックを見据えている。次のステージへの基盤を3年間で作り上げたい」と、将来、日本代表として活躍できる人材を輩出することを誓った。

 日本協会の福田富昭会長は所用のため急きょ欠席に。リオデジャネイロ・オリンピックでは大澤監督の教え子である樋口黎(日体大)が20歳で銀メダルを獲得し、日本の伝統を守ったことから、「2020年に金メダルを獲れる選手を作ってほしい」というメッセージを寄せた。

 会場にはオリンピックで銀メダルを獲得した樋口、太田忍(ALSOK)らが日本選手団の制服姿で登場。会の中で登壇し、高校生にエールを送り、日体大柏の生徒らと記念撮影に応じた。

鈴木誠司校長のあいさつ

就任2年目でチームを日本一に押し上げた大澤友博監督