※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
リオデジャネイロ・オリンピックの代表2選手を含めた全日本女子チームが10月31日、熊本市・県民総合運動公園で合宿をスタート。新任の笹山秀雄・女子強化委員長(自衛隊)の体制が始動した。
熊本は今年4月にオリンピックへ向けた合宿をやった地。その直後に熊本地震に見舞われており、被災地の人たちへ元気を送る意味合いもこめての合宿実施だ。初日は歓迎レセプションなどが組まれていた関係で、練習は打ち込みや技術練習のみの約1時間で、スパーリングはなし。きょう11月1日から本格的にスタートする。
オリンピック代表選手で参加したのは、48kg級の登坂絵莉(東新住建)と63kg級の川井梨紗子(至学館大)の2選手。オリンピック後は祝勝会などに追われ、本格的な練習からは遠ざかっているようだが、笹山委員長は「動きはさほど悪くなかった」と見ている。
ただ、「スパーリングが始まるとどうかな? 若手選手の中には『東京オリンピックには自分が出る』と決めている選手もいる。かなり追い上げられると思う」と話し、若手の気合を評価した。
伊調馨(ALSOK)と吉田沙保里(フリー)の2選手は6日までの合宿期間を通じて参加しない。2008年北京オリンピックのあと、伊調が選手活動を休養していた時期があったが、その時も吉田はいた。二大エースが全日本合宿に全期間参加しないのは、2人が参加するようになってから初めてのこと。
それでも、笹山委員長は「若手だけでもしっかりやってくれると思う」と、若手選手の自覚を期待した。練習だけではなく、「地震に見舞われて復興を目指す地に接し、何かを感じとってほしい」と、人間としての成長も期待した。