2016.09.01

アルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)の金とベシク・クドホフ(ロシア)の銀をはく奪か?

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

オリンピック3連覇のはずのアルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)だが…

 海外の一部のメディアは、2008年北京オリンピックの男子フリースタイル120kg級優勝のアルトゥール・タイマゾフ(ウズベキスタン)と、2012年ロンドン・オリンピックの男子フリースタイル60kg級銀メダルのベシク・クドホフ(ロシア)が、最近行われたドーピング検査で陽性を示し、それぞれメダルをはく奪されたことを報じた。

 国際オリンピック委員会(IOC)や世界レスリング連盟(UWW)は何の発表もしていないが、インドの多くのメディアは、ロンドン大会の男子フリースタイル60kg級3位だった2選手のうち、クドホフに負けていたヨゲシャワー・ダット(インド)が銀メダルに繰り上がることを、あたかも確定であるかのように報じている。

 IOCは、2008年北京大会と2012年ロンドン大会で採取した検体を最新の分析技術によって再検査。7月末に北京大会で4競技、8ヶ国・地域の30選手、ロンドン大会で2競技、9ヶ国・地域の15選手が陽性反応を示したと発表。重量挙げで続々と違反選手が発覚し、国際重量挙げ連盟(IWF)は、北京大会ではメダリスト11人を含む15人が禁止薬物に陽性反応を示したと発表したばかり。

 8月31日には陸上の女子160メートルリレー銀メダルのタチアナ・フィロワ(ロシア)の違反が発覚し、成績を抹消されている。この再検査による陽性反応を示した中に、タイマゾフとクドホフがいたらしい。

 IOCは、リオデジャネイロ大会で採集した検体も大会後に再検査する予定。バッハ会長は「ドーピングと闘うIOCの決意を示している」と話し、最新技術で徹底検査を実施する意向を示している。

 タイマゾフは、アレクサンダー・メドベジ(ソ連)、アレクサンダー・カレリン(ロシア)に続くオリンピック3連覇の選手だったが、違反が確定すれば2度優勝へ。今回のオリンピックで3連覇を達成したミハイン・ロペス(キューバ=男子グレコローマン130kg級)が男子史上3人目の3連覇達成選手となる。

 クドホフは2013年12月に交通事故で亡くなっている。