※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ロシア4個目の金メダルを獲得したソスラン・ラモノフ
最終日に行われた男子フリースタイル65㎏級は、決勝でソスラン・ラモノフ(ロシア)がトグルル・アスガロフ(アゼルバイジャン)を11-0のテクニカルフォールで撃破。オリンピック初制覇を成し遂げた。
接戦が予想された決勝だったが、いざフタを開けてみるとラモノフの圧勝だった。試合開始早々、アスガロフを場外に押し出して1ポイントを奪取すると、完全にラモノフのペース。さらに勢いよく場外にアスガロフを放り投げ、4ポイントを追加。その後もポイントを重ねてあっさりと勝負を決めた。
ラモノフは「もしかしたら簡単な試合に見えたかもしれないが、そんなことはありませんでした。何しろ対戦相手はロンドン・オリンピックの金メダリスト。試合が始まったら、私はできる限り体が動くままに攻撃した。その結果、勝利を収めることができました」と振り返った。
大会前、ドーピング問題に揺れ、一時は参加そのものも危ぶまれたロシアだったが、ラモノフはそれも闘うモチベーションになったことを否定しない。
「大会前、本当に自分たちがオリンピックに出場できるのかどうか不安だった。ロシア・チームはとても緊張の日々を送り、毎日ニュースを見ていました。ようやく出られることになって、我々は闘えるという大きなモチベーションを得ることができました」
これでロシアのレスリングの金メダルの獲得数は4となり、日本と並んで最多タイとなった。一方、アスガロフは弱冠19歳でロンドン・オリンピック60㎏級を制覇。階級区分変更で、65kg級に上げて連覇を狙ったが、自分の持ち味を全く出すことができなかった。
覚悟を決めたラモノフのパワーレスリングは、想像以上にすさまじく、ロシア・レスリングの強さを見せつける結果となった。