2016.08.18

【リオデジャネイロ特集】金メダル獲得3選手・家族の声

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(取材・撮影=布施鋼治)


 ■登坂修さん(登坂絵莉の父)「絵莉は小さい時から本当に努力してきた子。その努力が報われてうれしいです。最後はああいう勝ち方しかないと思っていた。このまま終わるか、それとも一発とっていくか。どちらでもよくやってくれました。ただ、最後まで勝つのはあれしかないと信じていました。

 絵莉の動きは固くはなかった。(決勝の)第2ピリオド終盤からかなり前に出て行ったので、いいなとは思っていたけど、相手がなかなか崩れなかった。でも、最後はちょっとバテてきていたので、これは絵莉がいけるんじゃないかと思いました。最後は、『やった!』という感じです。いつもヒヤヒヤさせますけど、感動的な勝ち方だったと思います。最後に手が上がればどんな勝ち方だって、僕は構いません」


 ■伊調春行さん(伊調馨の父)「1点差でも何でも勝ちにこだわっていた。1点だけでもいいから勝ってほしかった。やっぱり(亡くなった)お母さんに優勝をあげたいという気持ちが強かったと思う。お母さんは私たちの見えないところにいるから。でも、馨の優勝を一番楽しみにしていたから、一番喜んでいると思います。生きていたら、『頑張ったね。ありがとう』と声をかけていたと思うけど、言葉が見つからない」


 ■土性則之さん(土性沙羅の父)「皆さんと吉田(栄勝)先生のおかげです。吉田先生に正確なタックルを教えてもらって感謝しています。勝てるとは思っていた。ちょっと向こうのペースにもっていかれて、苦しかったけど、やってくれました。オリンピックという夢の舞台で、やっと吉田先生と同じ夢を見させてもらった。

 最後は諦めかけたけど、やってくれました。よくやったとほめてあげたい。沙羅が小さい時には立って応援していたけど、しばらくは(立ち上がることもなく)おとなしく応援していた。今回は舞台が舞台だったので、ちょっとヤバかったです(立ち上がって応援)」

土性夫妻

伊調春行さんと姉・千春さん