※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 堺ジュニアの増田周司監督と、左から本原、北出桃子、北出幸也の各選手
また、大会初日に行われたオリンピック壮行会で、樋口のエスコートキッズを務めた6年生42kg級の本原晴来が銅メダルを獲得し、3名が入賞と幸先のいいスタートを切った。
5年生で出場した北出桃子の決勝は一進一退の攻防だった。得意のタックルがなかなか決まらず無得点のまま後半へ。「焦りましたけど、マットサイドで応援していたお父さんの『攻める気持ちや!』という声が聞こえてきて、気持ちを切り替えられました」と、父の声援を追い風に、終盤には得意のタックルでテークダウンを奪ってローリング。決勝点を挙げた。
前日に優勝を決めていた弟の存在で、3連覇の重圧に拍車がかかってしまったそうで、「プレッシャーになってしまいました」と苦笑した。来年は最終学年の6年生。「攻めるレスリングをして、絶対にトロフィーをもらいたいです」と4連覇を見据えていた。 壮行会で本原晴来選手とともに入賞したOBの樋口黎選手
増田周司監督は「(北出姉弟の)2人は、力があったのでこれくらいはやるかなと思った」と予定どおりの活躍に満足していたが、「活躍できる選手がけがで出場できなかった。本当なら、もう少し結果を残せたと思う。全体的にはもの足りない部分があります」と、チーム全体では課題が残ったようだ。
22日の開会式前に行われたオリンピック壮行会は恒例となったイベント。同クラブ出身の樋口黎が堂々と参加しているのを見て、増田監督は「(以前所属していた)吹田市民教室時代から見ていた選手なので、うれしいですね。樋口はよく練習して、のみ込みが早い選手でした。それを見ると、北出兄弟には樋口と通じるものがある。まじめに練習して、あちこち出げいこに行く。親御さんの協力もある。樋口のようにトップクラスの選手になれる素質があります」と、第2、第3の“樋口黎”の輩出に期待を寄せていた。