2016.05.09

4選手とも出場枠を取れず…オリンピック世界予選最終戦(男子フリースタイル)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【イスタンブール(トルコ)、文・撮影=池田安佑美】リオデジャネイロ・オリンピックの世界予選最終戦・最終日は5月8日、トルコ・イスタンブールで男子フリースタイル全階級が行われ、日本から出場した4選手はいずれも出場枠を取ることができなかった。

 3月のアジア予選(カザフスタン)でオリンピックまであと1勝だった86kg級の松本真也(警視庁)は、初戦(2回戦)のスイス選手をテクニカルフォールで破ったが、3回戦でアジア予選8位のビー・シェンフェン(中国)にテクニカルフォール負けで決勝に駒を進めなかった。

 65kg級は大学生の藤波勇飛(山梨学院大)がオリンピック予選に初出場。初戦のタイ選手にテクニカルフォール勝ちと幸先の良いスタートを切ったが、2回戦で2016年パンアメリカン選手権70kg級優勝のフランク・アニエロ・モリナロ(米国)にきん差で敗れて上位進出はならなかった。

 山口剛(ブシロード)が代表を辞退したため、急きょ現地で代表メンバーになった97kg級の山本康稀(GENスポーツアカデミー)は、初戦のブラジル戦でひざを痛めてフォール負け。125kg級の田中哲矢(自衛隊)はフィンランドの選手相手に1-1のラストポイントで初戦敗退だった。

 これでオリンピックの予選はすべて終了。日本勢はモンゴルとトルコの2度にわたる世界予選で権利を得ることはできず、男子はアジア予選で取ったフリースタイル57kg級の樋口黎(日体大)、74kg級の高谷惣亮(ALSOK)、グレコローマン59kg級の太田忍(ALSOK)、66kg級の井上智裕(三恵海運)の4選手から出場を増やすことはできなかった。

 8月のリオデジャネイロ・オリンピックは女子6選手と男子選手の計10選手で挑む。

 各選手の成績は下記の通り。


 ◎男子フリースタイル

 【65kg級】藤波勇飛(山梨学院大)     11位=32選手出場

2回戦 ●[7-6] Frank Aniello Molinaro(米国)
 《試合経過》第1ピリオド1分すぎ、藤波は相手のもぐりこむような片足タックルで持ち上げられて2失点。その後、藤波はタックルからローリングを決めて4-2と逆転した。第2ピリオド、4分後半までリードを保っていた藤波だったが、またも持ち上げタックルを受けてしまい、今度は4失点。藤波もタックルで反撃してバックポイントを奪って6-6とするがビックポイントの差で負けている。残り10秒、藤波は何度もタックルに行って、5分58秒に相手を場外に追いやったがノーポイント。日本陣営はチャレンジしたが、パーテレポジション(グラウンド)での場外とみなされたようで判定は覆らず、チャレンジ失敗の1点が相手に加算され、6-7となった。

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1回戦 〇[Tフォール、1:26=10-0] Saksit Janhom(タイ)
 《試合経過》試合開始早々、藤波はバックに回ってローリングで4点。その後もバックを取ってグラウンドで攻める攻撃で、あっという間にテクニカルフォール勝ち。


 【86kg級】松本真也(警視庁)    9位=26選手

敗復戦 ●[1-9] Piotr Ianulov(マケドニア)
 《試合経過》第1ピリオドの序盤、相手にアクティブポイントが課されて得点できず、松本に1点が入る。2分すぎ、松本がタックルに行ったところを見事に投げ技を合わされて4失点。さらに場外ポイントで1失点。第2ピリオド、松本は必死に攻撃をするが、何度もカウンター攻撃でバックポイントを取られて9-1で試合を終えた。

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3回戦 ●[Tフォール、1:36=10-0]Bi Shengfeng(中国)
 《試合経過》第1ピリオド、先に攻めた松本だったが、相手にかわされて逆にカウンタータックルからローリングを決められて4失点。1分22秒に再びタックルを仕掛けるが、またもカウンターで両足タックルを決められ、そこから連続アンクルホールド。1分36秒で無念のテクニカルフォール負け。

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2回戦 〇[Tフォール、4:33(13-2)] Marco Lukas Riesen(スイス)
 《試合経過》第1ピリオドの1分半前に松本がタックルで2点。場外ポイントで1点を追加し、3-0で折り返し。第2ピリオド、両足タックルが豪快に決まったが、相手に返されてしまい2点を失ったがバックを取り返し、そのままアンクルホールドに移行して2点を追加するなど攻撃の手を緩めなかった。最後は13-2でテクニカルフォール勝ち。

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1回戦 BYE


 【97kg級】山本康稀(GSA)     19位=25選手出場

1回戦 ●[フォール、4:08=7-8] Paulo Victor Santos De Souza(ブラジル)
 《試合経過》第1ピリオド、山本は勢いよく両足タックルに行くが、カウンターで返されて4失点。そのままフォールされそうになったが、なんとかブリッジして逃げた。その後、返し技に気をつけながらタックルで得点を重ねて、第2ピリオドには4点タックルを決めてリードを奪うが、4分すぎにタックルに入られたところで、ひざを痛めてしまい、最後はフォール負け。


 【125kg級】田中哲矢(自衛隊)    14位=19選手出場

2回戦 ●[1-1L] Jere Tapani Heino(フィンランド)
 《試合経過》第1ピリオド、田中は積極的に前に出て相手に圧力をかけ、相手にアクティブタイムを課して1点。第2ピリオドも序盤までは田中のペースだったが、終盤、田中の勢いがなくなったところでアクティブタイムを課され、得点できずに1失点。これがラストポイントの決勝点となり、1-1で敗れた。

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1回戦 BYE