※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
1点差で惜敗の伊藤彩香(東新住建)。チャレンジのスポンジ(手前)が投げられたが…
「リードして第2ピリオドにいったのに、勝ち切れなかった。ちょっとばてていて、動きが悪かった。タックルに行って取られるという、やってはいけない失点が痛かった」と言う。1回戦と準決勝はタックルにしっかり入ることができただけに、その勢いを持ち込めなかったことが残念そう。
ヤリギン国際大会で優勝を逃し、その時に反省したことが今回も出てしまったそうだ。短期間では修正できないのは、やむをえないこと。2大会を通じての反省点の克服は、このあと国内の練習でじっくり直していくことになる。
2009年アジア・カデット選手権(インド)優勝、2011年アジア・ジュニア選手権(インドネシア)優勝と、幸先いい国際大会での成績を残したが、その後は、メダルに手が届くことはあっても、あと一歩が乗り越えられない。昨年11月の「ビル・ファーレル国際大会」(米国)で優勝しているが、決勝は日本選手が相手だった。
「勝ち切れないですね…」と無念の表情の伊藤。決勝の壁が今後の課題となるか。
この冬は、気温が氷点下30度のクラスノヤルスクで行われたヤリギン国際大会、気温が30度を超えるバンコクで行われたアジア選手権と、コンディショニングの面でも貴重な経験を積むことができた。「11月のアメリカ、12月の全日本選手権を含めて、試合出場を重ねることができた。この経験を生かして5月下旬の全日本選抜選手権での優勝を目指して頑張ります」と、次の目標に気持ちを切り替えていた。