2015.10.26

2015年世界チャンピオン(1)…男子フリースタイル57kg級/ウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア)《オリンピック出場枠獲得国&アジア予選展望》

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

【男子フリースタイル57g級】
ウラジーミル・キンチェガシビリ(ジョージア=Vladimir Khinchegashvili)

(撮影=矢吹建夫)

 1991年4月18日生まれ、24歳。2007年欧州カデット選手権50kg級3位のあと、翌年、同54kg級と欧州ジュニア選手権50kg級でダブル優勝し、世界ジュニア選手権同級でも3位入賞。

 2010年世界ジュニア選手権55kg級で優勝し、2011年世界選手権55kg級で7位入賞。2012年のオリンピック予選第1戦で優勝してロンドン・オリンピックへ。準決勝で湯元進一を破って決勝へ進んだが、ジャマル・オタルスルタノフ(ロシア)に敗れて銀メダルに終わった。

 2013年から60kg級に上げ、欧州選手権3位などの成績。階級区分変更によって2014年から57kg級へ。同年の欧州選手権で優勝し、世界選手権は2位。57kg級として2度目の世界選手権で初の世界一へ輝いた。

 ジョージア(グルジア)の男子フリースタイルとしては、2005年84kg級のレバズ・ミンドラシビリ以来の優勝。

■ウラジーミル・キンチェガシビリの2015年世界選手権成績
決  勝 ○[5-4]Hassan Sabzali Rahimi(イラン)
準決勝 ○[10-2]Bekhbayar Erdenebat(モンゴル)
4回戦  ○[7-5]Artas Sanaa(カザフスタン)
3回戦  ○[6-1]Georgi Valentinov Vangelov(ブルガリア)   
2回戦  ○[Tフォール、4:19=10-0]Salvatore Mannino(イタリア)
1回戦   BYE

【世界選手権1~5位選手】(オリンピック出場枠獲得選手)

 [1]Vladimir Khinchegashvili(ジョージア)
 [2]Hassan Rahimi(イラン)
 [3]Erdenebat Bekhbayar(モンゴル)
 〃  Viktor Lebedev(ロシア)
 [5]Artas Sanaa(カザフスタン)
 〃  Jong Hak-Jin(北朝鮮)

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 《2016年3月・アジア予選展望》  ※国際主要大会成績(青が出場枠獲得国)

 アジアから4ヶ国が出場枠を獲得。出場枠獲得の可能性は広がっている。

 強敵として考えられるのは、2014年アジア選手権3位・2015年同2位のサマト・ナディルベク(キルギス)と、55kg級で2013年アジア選手権優勝・世界選手権2位のアミト・クマール(インド)。今年の世界選手権は、ナディルベクは初戦でパンアメリカン大会王者のキューバ選手にテクニカルフォール負け。クマールは3回戦で欧州王者のロシア選手に敗れた。

 他に、世界ジュニア選手権50kg級で2013年3位・2014年2位のマクムジョン・シャフカトフ(ウズベキスタン)が要注意。21歳で今年の世界選手権の代表になっており、2回戦で敗れたが、どこまで力を伸ばしてくるか。

 昨年のヤリギン国際大会(ロシア)で3位入賞し、アジア大会で5位に入ったニコライ・ノエフ(タジギスタン)もあなどれまい。