男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
《花山和寛・略歴》 / 《花山和寛・国際大会成績》 / 《男子グレコローマン71kg級展望》 / 《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子グレコローマン》
(文=増渕由気子) 花山和寛(自衛隊)
7月中旬には世界選手権代表チームのポーランド遠征に参加。「ピトラシンスキ国際大会」の2回戦で、2012年ロンドン・オリンピック2位のトーマス・ロリンツ(ハンガリー)と対戦するなど実りある遠征を経験できた。「何もできず、連続ローリングを受けて2分半ほどで負けてしまった」という内容だったが、世界トップクラスの選手に勝つには何が必要か明確になった。必要なものは「集中力と体力」だった。
「世界選手権まで時間がないですが、体力をつけて、どんな選手とも闘えるようになりたい」と、残る期間に全力で取り組む。
■無理な体勢での動きのため腰痛に襲われる
2014年の階級区分変更により、男子も非オリンピック階級が各スタイル2階級ずつできた。来年のリオデジャネイロ・オリンピックに向け、全日本選抜選手権では、強豪選手は軒並みオリンピック階級へエントリーした。非オリンピック階級の71kg級はエントリー6選手。社会人は花山だけという選手層だったこともあり、下馬評通りの優勝と言っても過言ではない。
花山はリオデジャネイロ・オリンピックへの挑戦を前提に自衛隊に進んだので、本来は66kg級や75kg級のどちらかにエントリーするはずだった。だが、「腰が痛くてほとんど練習できず、体重が76kg程度ありました。腰の調整をしながら練習ができて、世界選手権に行けるよう、今回は71kg級を選びました」と、フィジカル面を鑑み、苦汁の決断で非オリンピック階級を選んだ。
慢性的な腰の痛みに耐え切れなくなったのは3月ごろだった。検査をしたところ、骨に炎症が起きているという深刻な状況が判明した。4、5月の約2ヶ月間マットに上がれず、「コーチと毎日四股(しこ)を踏んでいました」と我慢の時期を送った。 腰痛を乗り越え、全日本選抜選手権で優勝した花山
■本場ヨーロッパのグレコローマンに接して、目からうろこが落ちた
腰の負傷も快方に向かい、2ヶ月間もスパーリングができない状況を跳ね返して学生主体の71kg級で全日本のトップとなったが、実力を過信することはひとつもない。ふだんの自衛隊での練習では、清水博之や藤村義など世界選手権に出場経験のあるトップ選手に毎日ボコボコにされている。
7月上旬の全日本社会人選手権は75kg級に出場し、決勝で同門の亀井竜昇に敗れて2位という結果も、「練習通りの結果が出ただけ。(腰に負担をかけないよう)軽い階級の選手とばかり練習していたので、闘う体ができていなかった」と冷静に受け止めていた。
日本代表となって自覚が芽生える一方で反省も多い中、グレコローマンの本場での合同合宿では、前述のオリンピック2位の選手との対戦以外にも目からうろこが落ちることが多分にあった。「外国選手は失敗を恐れないというか、相手の様子を見ずにバンバン投げる。技のレパートリーも多く、スタンド戦でも組んだら即座にそり投げを仕掛ける。こんなスピーディーなグレコローマンを体験したのは初めてでした」。
本場の練習にショックを受けつつも、初物尽くしの花山は見聞を広めた興奮も隠せなかった。「小さいころから(グレコローマンを)やっているからこのような動きができるんだろうけど、自分も毎日やったらできると思う。挑戦してみたい」。ヨーロッパの動きを自分のレスリングに取り入れたいと力強く語った。
海外遠征で視野が広まった花山。これを転機に一気に飛躍できるだろうか―。
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