男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子フリースタイル | 57kg | 61kg | 65kg | 70kg | 74kg | 86kg | 97kg | 125kg |
男子グレコローマン | 59kg | 66kg | 71kg | 75kg | 80kg | 85kg | 98kg | 130kg |
女 子 | 48kg | 53kg | 55kg | 58kg | 60kg | 63kg | 69kg | 75kg |
《鴨居正和・略歴》 / 《鴨居正和・国際大会成績》 / 《男子フリースタイル61kg級展望》 / 《勝者の素顔》
《オリンピック&世界選手権・歴代優勝選手と日本選手成績=男子フリースタイル》
(文=樋口郁夫) 鴨居正和(自衛隊)
7月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)では、欧州大会2位の選手を破るなどさらに飛躍した実力を発揮した。「自衛隊の強い先輩、井上(謙二)コーチ、高塚(紀行)先輩、湯元(進一)先輩にもまれたおかげで力がついたのでしょうか…」と、自分の飛躍を実感できていないようだが、「自信にはなります」と、気持ちが高まった状態で世界選手権(9月7~12日、米国・ラスベガス)に臨む。
■今年は日本の一番手としての世界選手権出場
昨年、世界選手権(ウズベキスタン)初出場の機会をもらった。全日本選抜選手権優勝の高塚がアジア大会を選択したためで、せっかくのチャンスだったが、「何もできず、あっという間の1回戦負け。得るものもない試合でした」と振り返る。
今年は日本の一番手としての出場。「高塚先輩達の築いてきた伝統を引き継ぐんだ、という気持ちで臨みます」と、昨年とは背負うものは違っている。
鴨居の闘っていた60kg級は、2004年アテネ・オリンピックで井上コーチが銅メダルを取り、2006年世界選手権では高塚が銅メダル。2008年北京オリンピックと2011年世界選手権では湯元健一(現日体大コーチ)が銅メダルと、日本が得意としていた階級。 昨年12月の全日本選手権に続き、全日本選抜選手権で優勝した鴨居
■自衛隊の熱心な誘いもあって現役続行を決意
実は昨年の世界選手権のあと、「燃え尽きた感がある」と口にし、大学卒業でレスリング活動は終わることを示唆していた。「あの時は、やめる、という気持ちの方が強かったです」と、その時の言葉にうそはなかったと振り返る。
自分のやってきた階級がオリンピック階級でなくなったためだ。60kg級の選手がオリンピックを目指すには、57kg級か65kg級を選ぶしかない状況となった。鍛え抜かれたアスリートが3kgも落とすことは不可能。65kg級での闘いに身を投じるしか選択肢はなかった。
「5kgの違いとはいえ、簡単には勝てません。やっている選手が一番知っています。あの時(世界選手権終了後)は、やり切った、という気持ちでした」。
その気持ちを変えたのは、自衛隊の熱心な誘いだった。「(返事を)いつまでも待ってくれました。井上先輩や高塚先輩のいるチームだったこともあり、心が動きました」。12月の全日本選手権で優勝したあと、大学の高田裕司監督と話をし、「気負わずにやってみろ、という意味のことを言われ、踏ん切りがつきました」と、現役続行を決心した。
■「社会人になって変わりたい、という気持ちがいい形で出ました」 全日本合宿(菅平)で練習する鴨居
アジア選手権で銅メダルを取ったことで、61kg級の基礎固めの一歩を踏み出し、ポーランドでそのベースづくりをさらに進めることができた。「最大の要因は意識だと思います。社会人になって変わりたい、という気持ちがいい形で出ました」と分析し、精神面での成長が結果につながったと自己分析する。
一方、アジア選手権で負けたイラン戦(コーションで取られただけの0-1)は「ポイントを取れなかったわけだし、最後までびびっていた。全然駄目な試合でした」と唇をかみしめる。2位となった「ジオルコウスキ国際大会」の決勝も、「最後、攻めるか守り切るか中途半端な気持ちになり、ラスト15秒で逆転されたことは反省材料です」と話す。
自信を持つ反面、反省も多い今季だが、成長しているからこそ具体的な反省点が出てくる。成長のない状況では、すべてが反省であって具体的なことは出てこない。負けた試合をきちんと分析できるのは、順調な成長ロードを走っている証拠だ。
「まず61kg級で通用する実力をつけたい。そのうえで65kg級にアップし、東京オリンピックを目指します」。5年計画の1年目、力強い一歩を踏み出すことが期待される。
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