※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
タレント発掘・育成コンソーシアム事業報告②
国内育成プログラム/第1回グレコローマンスタイル ジュニア世代検証キャンプ
JWF タレント発掘・育成コンソーシアム
清水 聖志人
教育プログラム:メディアトレーニング(荻原次晴)
本事業は、全国規模で有能なタレント・アスリートを継続的に見出し、最適な育成・強化を図る手法・仕組みを調査研究・開発し、これらの手法をもとに、地域タレントからメダルポテンシャルアスリートまで確実に引き上げるシステムの構築を目指している。
2015年5月7日(木)~5月9日(土)の期間、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、第1回グレコローマンスタイル ジュニア世代検証キャンプを実施した。本キャンプは、グレコローマンスタイル ジュニア世代の優秀なタレントを対象に、高品質な機会(トレーニング、コーチング、教育プログラム、形態・フィットネスデータのフィードバックなど)を提供することを目的としている。また、本キャンプ中に実施したプログラムの結果を分析し、エビデンスに基づくプログラムの開発を推進する。今回のキャンプでは日本レスリング界の将来を担うジュニア世代の19名が参加した。
レスリングのタレント発掘・育成コンソーシアムは、「インテリジェントレスラーの育成」をコンセプトとしており、全国のU-12世代、U-15世代、カデット世代、ジュニア世代から優秀なタレントを発掘し、国内及び海外育成プログラムによって育成を行う。 メディアトレーニングの様子
また、高度レベルの競技活動を通して得た経験や知識を基に、日本のリーダーとなれるアスリートの育成を目指すため、「教育プログラム」に注力しているのが特徴である。今回キャンプにおいては、「メディアトレーニング」と「セルフコンディショニング」にフォーカスした教育プログラムを展開した。
セルフコンディショニングにおいては、プログラム冒頭で、オリンピックにおけるメダル獲得には、それに見合う高強度のトレーニングを高頻度で積むことが必要であり、休養、栄養のバランスを考えた日常生活を送ることの重要性について説明が行われ、「ウォームアップ」、「クーリングダウン」、「コア・トレーニング」の具体的方法について、実技を交えながら展開された。
マットトレーニングにおいては、昨年の世界ジュニア選手権や世界選手権における分析を踏まえ、この世代の技術的課題について徹底したコーチングを行ったうえで、ポジション別の攻防やスパーリングを中心に展開した。
また、国立スポーツ科学センターの協力により、ナショナルチームが行っている内容と同様の形態測定、フィットネス測定を実施し、キャンプ最終日に測定データのフィードバック及び、ナショナルチームやジュニア代表データとの比較を基にフィットネスレベル向上に向けたカウンセリングを実施した。
本事業は、日本レスリングが永続的にメダルを獲得するための発掘・育成システムの構築を目指すものであり、独立行政法人日本スポーツ振興センターより事業の成果報告が求められる。このことから、本協会に関わる全ての関係者が方向性を共有し、事業の推進に努める必要がある。
![]() 教育プログラム:セルフコンディショニングについて考える(渡邉学:東都リハビリテーション学院) |
![]() コア・トレーニングの様子 |
![]() 腹筋テスト②(30Sec×3) |
![]() グラウンドスキルのコーチン |
![]() マット練習の様子 |
![]() 形態・フィットネスデータのフィードバックとカウンセリング |