※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(5月6日、カタール・ドーハ、取材=池田安佑美)
■女子58kg級金メダル・伊調馨(ALSOK)=3試合に圧勝して優勝「(負傷していた)ひざの状態が、スパーリングができる程度には回復したので出場しました。本当は3月のワールドカップに出たかったのですが、けがが回復せず、辞退させてもらいました。
でも、全日本選手権から試合をしていないし、外国選手ともやりたいし、58kg級の経験が少ないので、試合をしたいと思い、今回のアジア選手権に出場しました。試合内容は、あんまりいいところがなかったです。タックルに入れたけれども、意識して入ったタックルではなかったので、崩しをもう少し練習したいです」
決勝で闘う石田智嗣(警視庁)
ピリオド制から現在のルールに変更になってから、海外で成績を残していなかったので、今年冬のロシア遠征や今回のアジア選手権でメダルを獲れたと言うのは、少しずつルールに順応してきはいるのかなと思う。まだまだな部分もありますが。今回はコーチ陣がアップのウォーミングアップの相手をしてくれたのみならず、マッサージまでしてくれた。闘っているのが自分だけではないんだな、と思い、マットに上がる時に心強くなり、積極的なレスリングができたと思います」
海外で3大会連続メダル獲得の松本篤史(ALSOK)
その中であえてよかった点をあげれば、昨年のアジア大会は出場できなかったので、アジアの中での今のレベルを知ることはできたことと、決勝という大舞台を経験できたこと。ほんの少しですが成長できた部分だと思います。
決勝は、立ち上がりはよかったのですが、第1ピリオドの後半に相手のペースに乗らせてしまった。立て続けに得点を許して、早く前半が終わってほしいとマイナスなことを考えてしまったのがよくなかった。イラン選手は他の国と違って後半も勢いがある。6失点したことが敗因だと思っています。
今後の目標は、全日本で勝つことではなく、それは通過点。あくまでも世界選手権5位以内を目標として練習を取り組んでいきたい」
■男子フリースタイル57kg級・森下史崇(ぼてぢゅう&Bum‘s)=アジア大会王者に勝って銅メダル「初戦のモンゴル選手は、3月のモンゴル・オープンの決勝の相手でした。モンゴル選手相手になかなか自分のレスリングをすることができず、苦手意識を克服できない。モンゴルの選手は差してからも、差されてからも、いずれも強い。初戦で負けた時、北朝鮮が同じブロックにいたので、敗者復活はないかなと思っていたが、モンゴルが勝ったおかげで3位決定戦への望みがつながった。
3位決定戦の北朝鮮は、去年のアジア大会で対戦して負けた相手でリベンジできました。第1ピリオドは攻めて自分のレスリングができたと思う。(相手の北朝鮮は)韓国との試合で、差しを苦手そうにしていたので、差して崩そうと思った。今回の課題は、自分から崩して展開を作ること。今年は世界選手権で結果を残したいので、これらを修正して、6月の全日本選抜選手権で勝てるように頑張ります」