2014.08.10

【インターハイ・特集】4日間で12戦全勝! 2年生でMVP獲得…96kg級・石黒峻士(埼玉・花咲徳栄)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)

 12戦12勝の勝率100パーセントでMVP獲得だ! インターハイの男子96kg級は、学校対抗戦で2年ぶり2度目の優勝を飾った花咲徳栄(埼玉)の重量級の柱として活躍した石黒峻士が、決勝で山下拓也(愛媛・八幡浜工)を第1ピリオド、10-0の圧勝で勝って優勝した。

 石黒は個人戦6試合と学校対抗戦6試合、合わせて全12試合に出場して全勝の成績。2年生ながら学校対抗戦のMVPに選出された。

 石黒はキッズクラブの強豪、ゴールドキッズ(東京)の出身。強さを求めて花咲徳栄に進学した。「優勝するために埼玉まで来たのに、去年出られなかったのが悔しかった。それをばねにして練習してきたので、今年は優勝できてよかったです」と笑顔で話した。

 男子96kg級は全国高校選抜大会王者の坂田龍星(埼玉・埼玉栄)が出場しておらず、選抜王者不在の階級だった。3年生の坂田の最後のインターハイ出場を阻んだのが石黒だった。インターハイ本戦と同じくらい厳しい予選を勝ち抜いてきた石黒は、「県予選で勝った坂田さんに、優勝の報告ができてよかった」と、坂田を思いやった。

 インターハイ予選から96kg級に階級アップした。坂田に挑戦するために磨き上げたのはローシングルのタックル(足首を狙う低い片足タックル)。どんなに力が強い相手でも、足首を攻めればバランスが崩れて勝機が出てくるからだ。その作戦が見事に当たって県予選を突破。インターハイでも、ローシングルから相手を崩してグラウンド技で得点を重ね、勝ち抜いた。

 12戦12勝の成績を振り返り、「脚は最後まで大丈夫だったけれど、腕がパンパンに張っていた。96kg級の選手は、どんな選手でも力がありましたから」と苦笑。今後も引き続き96kg級に出場するつもりで、「来年の全国高校選抜大会も優勝します」と”夏春連覇”を視野にいれた。