※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
当初の予定では、2020年オリンピックでレスリングが存続することを前提に、その大会から実施を予定していた「女子の2階級増、男子の2階級減」が、9日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会の決定により、2016年リオデジャネイロ・オリンピックから実施されることになった。
日本協会の福田富昭会長は10日、翌日のドン・キホーテ杯全日本ビーチ選手権のために訪れていた茨城・大洗町で「予測はできた。IOCのアドバイスをFILAは即座に対応してきた。男女格差の是正というIOCのリクエストに応え、(FILAが要望して)こういう結果になった」と話した。
具体的な階級は9月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)の期間中に決まるそうで、日本協会としては、すでに3スタイル6階級実施の場合の案を提出しているというが、欧州は重量級に人気と実力があるため、どうなるかは分からないという。「軽量級が削減されないよう要望したい」と話した。
栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は「日本のメダルの可能性は広がる。重量級は外国が強いので全階級制覇は厳しいかもしれないが、4、5階級で優勝を狙える」と話したあと、「日本にとってのみならず、女子の世界的な普及という面で大きなこと」と歓迎した。
具体的な実施階級が分からないため、吉田沙保里や伊調馨(ともにALSOK)らにとって有利か不利かの言及は避けた。
男子は各スタイルとも1階級を減らされることになり、オリンピックの門が狭まった。ロンドン・オリンピックのフリースタイル66kg級優勝の米満達弘(自衛隊)は「決まったんですか? 急に言われて、しかも新しい階級が分からない状態では何とも言えません」と第一声。
7階級が6階級に変われば、66kg級がそのまま存続する可能性は少なく、階級が上(70kg級など)か下(63kg級など)かの選択を迫れらることになるが、「上げるか下げるかにかかわらず、やるしかない。その階級に合わせて体を変えていく」と話した。