2026.09.01NEW

【2026年全日本学生選手権・特集】U23全日本に続いて学生王座を奪取、12月は全日本王者へ挑む…淺野稜悟(中大)

 2026年全日本学生選手権の男子フリースタイル86kg級は、2023~25年に3年連続でJOCジュニアオリンピックカップU20を制した淺野稜悟(中大)が優勝。これまでよりワンランク上の大会を制し、順調な実力アップを披露した。

 昨年12月の全日本選手権や今年5月の全日本選抜選手権は、層が薄いと思われた92kg級に出場して優勝を目指し、経験を積んだが、「今後は(オリンピック階級の)86kg級で挑戦したい」と明言。世界2位の石黒隼士(自衛隊)やベテランの高谷惣亮(拓大職)ら強豪がひしめく階級へ挑むことを宣言した。

▲3年連続でU20の日本代表を経て、学生王者に輝いた淺野稜悟(中大)

 決勝の相手は日体大のフリースタイル主将を務める1学年上の神谷龍之介。淺野が大学進学から86kg級、ときに92kg級で闘ってきたのに対し、神谷は79kg級を主戦場にし、今年から86kg級に参入した選手。体格的には淺野有利だろうが、神谷は79kg級で全日本王者に2度輝き、シニア世界選手権出場も果たしているので、どちらが格上かは分からない。

 2年前の東日本学生リーグ戦で淺野が勝っているが、その年の国民スポーツ大会ではリベンジされ、「体力負けしていた」とのこと。構えが逆のケンカ四つとなり、やりづらさがあって、この日の試合でも「組み手は最初から最後まで押されていました」と振り返る。

▲左構えの神谷龍之介(青)と右構えの淺野稜悟で、ケンカ四つになる両者。お互いに自分の組み手をなかなか作れなかった

勝ったとはいえ、課題が多く残った神谷龍之介との決勝

 一進一退の攻防の試合は、終了間際、淺野が4-5とリードされた状況で片足タックル。神谷がこらえ、両者がほぼ同時に場外へ出た。判定は、神谷が先に出たとして淺野に1点が入り、5-5のラストポイントで淺野の勝利。日体大陣営はチャレンジ。どちらが先に場外へ出たかで勝敗が決まる状況となった。

▲終了間際の微妙なシーン。神谷龍之介(青)の頭が先に場外に出ていた=ネット中継ビデオより

 ビデオは、神谷の頭が先に場外に出ていることが映っており、判定通りだった。淺野は最後の小手投げは自分が有利だったという感覚があったそうで、「判定通りになると思った」と言う。

 ただ、そこに至る前、片足をしっかり取った体勢になったのだから、テークダウンで2点を取らなければならないケースだった。勝ったとはいえ、課題が多く残る試合。「(11月の)全日本大学選手権でも当たると思います。今度は組み手でまさり、自分から展開をつくっていくようにしたい」と、再戦があるとしたら、もっとすっきりした勝利を目指す腹積もりだ。

▲1点を追い、残り10秒を切って神谷龍之介の左脚をキャッチした淺野稜悟。ここでテークダウンを取わねばならなかった

国内外での目標をひとつずつクリアへ

 今年は3月のU23全日本選手権で優勝し、10月のU23世界選手権(米国)出場も内定している。学生王座の奪取によって、いよいよ全日本レベルでの闘いが期待できる状況となった。王者の石黒隼士とは、自衛隊への出げいこや全日本合宿で練習をしたことがあり、「自分が勝っているところは、ひとつもない。いつも、こてんぱにやられる。まだ闘える段階ではないと思う」とさえ言う。

 高い壁ではあるが、今後の練習で追いつきたい気持ちを吐露。そのためにも、U23世界選手権で好成績を残し、全日本大学選手権で学生ナンバーワンの地位を確固としたいところ

 U20世界選手権では、3位決定戦で2年連続、同じ相手に負けてメダルを逃している。「今度こそメダルを取る」ときっぱり。国内外での目標をひとつずつクリアし、全日本王者へ迫ることができるか。

▲チャレンジを経て優勝が決まった淺野。U23世界選手権、全日本大学選手権を経て全日本選手権へ挑む