2026.07.17NEW

【2026年全日本社会人選手権・特集】世界王者の実力を見せて優勝、アジア大会代表で唯一出場の青柳善の輔(クリナップ)

 74kg級の世界王者(髙橋海大)を破って今秋の愛知・名古屋アジア大会代表権を奪取した70kg級世界王者の青柳善の輔(クリナップ)が、同大会の会場で行われた2026年全日本社会人選手権の男子フリースタイル79kg級で優勝。縁起のいい勝利をマークした。

▲4試合(不戦勝を含む)を1失点で優勝した青柳善の輔(クリナップ)

 「ふつうにやって優勝でき、よかったです」と青柳。この大会は過度な減量をせず上の階級に出場する選手が多く、今回も74kg級の選手との対戦が続いたので、「いつも通りでした」と言う。勝因は体力勝ち。「練習をしっかりやってきたので、スタミナが切れることもなく勝てた」そうだ。タックルは今ひとつ入れない面もあったが、「タックル以外(の闘い)もレスリング。それでよかったと思います」と振り返った。

 全日本選抜選手権は「うまくいきすぎた部分があった」と言う。それがゆえに、その後の練習ではいつものメニューを入念にこなすことを大事にし、朝練習のトレーニングから手を抜かずにやってきた。

▲準決勝はU23世界選手権74kg級代表の小川統己(川金ホールディングス)を下す

アジア大会直前にドイツで実戦練習をこなす

 昨年は大会出場をこなして実力をアップさせ、その末の世界一奪取だった。今年もそのやり方を踏襲。事実、男女18階級のアジア大会代表で出場した唯一の選手だった。いわば、試合出場が練習。「けがもしていないのなら、出られる試合は出るべきだと思います」と言う。国内だけでなく、8月には米国で練習したあと、9月からのブンデスリーガ(ドイツ)に参加することが決まり、アジア大会の直前にも実戦をこなす予定だ。

 練習拠点でじっくり鍛える選手もいるだろうが、「同じ場所で練習を続けると、どうしてもマンネリになってしまう。いろんなところで練習し、経験を積んで新しいことを見つけるのが自分に合っています」と言う。試合間隔の短さについて聞くと、「むしろ間隔があく方がよくないです。試合勘も取り戻せませんし、緊張への取り組みも慣れが必要です」とのこと。実戦を重ねての本番挑戦を貫く予定だ。

▲決勝は昨年の全国社会人オープン選手権79kg級優勝の志賀晃次郎(警視庁)を4-1で下した

 アジア大会の会場での試合ということは、「あまり意識していなかったです」と苦笑い。ただ、外国選手に比べると地元の利があることは確かで、加えて事前に会場の雰囲気や大会リハーサルとしての入場などを経験したことは「有利になるでしょうね」と言う。

 4月のアジア選手権(キルギス)では、2年前の70kg級王者のアミール・ヤズダニ(イラン)らを破って優勝。アジア大会でも期待の一番手となりそうだが、同じように優勝できる保証がないのが勝負の世界。どの国もアジア大会に対しては力の入れ方が違うだろう。「出場する選手の研究を怠らず、しっかりと対策を練って挑みたいと思います」と気合を入れた。

▲4月のアジア選手権でアミール・ヤズダニ(イラン)に競り勝ち、雄叫びをあげる。アジア大会で再現されるか