世界の主要メディアが報じたところによると、国際オリンピック委員会(IOC)は2026年6月24日、スイス・ローザンヌで臨時総会第1日の審議を行い、オリンピックに出場した全選手に、結果や順位にかかわらず1人1万ドル(現在のレートで約162万円=2028年時点は不明)を支給する助成金制度の創設を発表した。約2,900人が参加した今年2月のミラノ・コルティナ冬季大会にさかのぼって支給される。
昨年就任したカースティ・コベントリー会長によるオリンピック改革の目玉と言うべき新制度。この制度導入のため、4年のサイクルごとに約1億4,000万ドル(約226億8,000万円)の資金を確保したという。同会長は「すべてのオリンピアンをサポートする手立てを見つけることができた。この取り組みを誇りに思う」とコメントした。
選手への金銭的な支援は、IOCが長年抱えていた課題。オリンピックからアマチュア規定がなくなって久しいが、前回のパリ・オリンピックで世界陸上連盟が金メダリストに賞金を出したことに批判もあり、選手への金銭授与に難色を示す雰囲気はあった。一方、オリンピックに出ても生活は苦しく、競技生活を続けられない選手もいて、若者のオリンピック離れにつながっているという声もあった。
1万ドルは、アフリカの紛争や政治不安をかかえる国では平均年収の30~40年分に相当するケースもある。東南アジアや南アジアでも、平均年収が1万ドルに満たない国は多い。
元プロバスケットボールの選手だったパウ・ガソル選手委員長は「これは賞金ではない。選手はオリンピックに出るために多くの犠牲を払っており、その努力と献身をたたえるものだ」と語ったという。
受給はオリンピック憲章違反やドーピング違反がないことが条件。選手が申請する必要があり、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)を通じて交付されるが、申請しない選択肢もあるとのこと。個人の主義・信念や、社会主義国では国の方針によって、申請しないケースが出る可能性はある。