2026.06.22NEW

【2026年東日本学生リーグ戦・展望】「日大の勢いがすごかった。素直にたたえたい」…山梨学院大・小幡邦彦監督

お知らせ
PIN FALL__kotograph__に2026年東日本学生リーグ戦の写真等が掲載されています。

 

 山梨学院大と優勝を争うと思われていた日体大にけが人が多くいる情報は、大会前から“公然の秘密”として流れていた。大会が始まると、日体大の主力選手が本調子でないことは、だれの目にも明らか。多くの選手・関係者が山梨学院大の独走優勝を疑わなかった2026年東日本学生リーグ戦

 準決勝で山梨学院大が日体大を第1試合からの4連勝で下し(最終的に4-3)、日大が育英大に先に“王手”をかけられる苦戦の末に勝ち上がった結果からしても、山梨学院大の優勝が現実味を増していた。だが、最後で山梨学院大の優勝が消えてしまった。

▲3連覇を目指した山梨学院大・小幡邦彦監督(中央)と髙橋侑希コーチだが…

 日大戦で負けた4試合は、いずれも僅差の試合。個々の選手の実力も、総合力も決して劣っていたわけではない。事実、7試合(フォール決着なし)のポイント合計は、日大の26点に対し、山梨学院大は47点。よく言われる「総合力」の定義は明確でないが、優勝を逃したのは実力が劣っていたわけではない。「勢いの差が勝利の女神を日大に微笑ませた」と表現してもおかしくない敗戦だった。

宿敵・日体大を破ったが、褒められない最後の3試合

 「選手はしっかり闘ってくれた」と激闘をねぎらった小幡邦彦監督は、「前の日から日大の流れがよかったので不安要素だった」と、その勢いを警戒していた。自軍選手は「3連覇を目指す重圧があったのか…」と話し、リードされて追いつけない展開が続いたことを悔やんだ。

 特に無念だったのは、第2試合(57kg級)で勝目大翔主将が1点差で惜敗したこと(チャレンジ失敗で最終的に2点差)。ラスト28秒に勝目が倉本亮弥の右脚をとらえ、必死に守る倉本に対してラスト6秒にはテークダウンを奪ったかのように見えたが(下写真=ネット中継より)、ビデオチェックの結果、ノーコントロールとなり、判定は覆らなかった。

▲ラスト6秒、倉本亮弥(青)の両手と両ひざがマットについているようにも見えるが…=ネット中継より

 この黒星で流れが日大にいったことは事実。「たら、れば」を何度言っても歴史が変わるとはないが、勝目のテークダウンが認められていれば、山梨学院大が優勝を引き寄せたかもしれない。だが、勝利の女神は山梨学院大に背を向けた。もしかしたら、決勝が始まる前に日大に微笑んでいたのかもしれない。

 山梨学院大は、準決勝の日体大戦で4連勝したあとの3試合を、いずれも無得点で敗れて3連敗している。決勝にそなえて“スタミナ温存”をはかったわけではないだろうが、3人とも大学で何らかのタイトルを取っている選手。その強豪がこの内容では、勢いは生まれまい。

 対して日大は、育英大に“王手”をかけられた苦しい中から、倉本亮弥、伊藤洋行という4年生が勝ってチームの勝利を決めた。2人とも高校進学後から現在に至るまで、東日本学生新人戦を含めてタイトルに縁がなく、必死の思いでトップに食いついている選手。そんな選手の奮戦に、チーム全体が勢いづくのは当然だろう。

最終試合で意地を見せた荻野大河

 小幡監督は「日大の勢いがすごかった。素直にたたえたい。僅差の試合で勝てなかったのは、日大の選手の方が気持ちが強かったのだと思う」と、その勢いに脱帽。「勝っていたら、来年も大丈夫だ、と天狗になるかもしれない。この悔しさを忘れず、奮起材料として頑張ってほしい」と自軍選手に発奮を求めた。

 11月の全日本大学選手権までに鍛え直し、「チャレンジャーとして挑みたい」と言う。チームの勝敗が決まったあと、70kg級の荻野大河が日大の碓井晴登主将を相手に、1-4から逆転し、5-4と競り勝ったのは、“王者”が最後に見せた意地だろう

 その意地と流れを、8月の全日本学生選手権を経て秋の決戦につなげることができるか。

▲チームの勝敗には無関係だったが、最後に意地を見せた荻野大河