2026年アジア大会と世界選手権の代表選手を中心とした女子の全日本チームが6月20日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで練習を公開。強化委員会の井上謙二委員長は練習前、「今日は報道陣への練習公開の日。サッカーのワールドカップに負けない熱気を見せるように」と選手を激励して練習が始まった。
サッカーのワールドカップを最も意識していたのが、62kg級でアジア大会と世界選手権に出場する尾﨑野乃香(慶大OG)。「詳しくはない」そうだが、海外遠征に行くときに買っている有名チームのサッカーユニホームを着用して練習し、汗ぐっしょりになる度に6回(本人の記憶による)着替えたという。「皆さん(報道陣)来ていますし」と、あえてサッカーTシャツにこだわったようで、注目を集めようとするプロ意識は日本代表選手の鑑(かがみ)か。
お気に入りの選手は、日本代表チームの第1戦でヘディングシュートを決めた鎌田大地選手。カード付きお菓子を購入したら同選手のカードが入っていて「めっちゃうれしかった」と話が止まらず、同じ慶大の塩貝健人選手も「注目しています」と目を輝かせた。
取材時間が限られているので報道陣がレスリングに話を向けると、「今はいろんなことを試している段階。外国選手には自分の持ち味を生かして闘いたいので、対策を考えることにこだわらず、思い切っていきたい」と話した。
合宿には、日体大の松本慎吾監督も参加。グレコローマン重量級の強豪だった同監督が女子合宿に姿を見せたことに違和感があった記者もいたが、現在は強化副委員長として3スタイルを管轄する立場。将来のホープ選手として参加していた76kg級の藤田眞妃琉(群馬・前橋育英高)と激しいスパーリングを展開した。
藤田は今夏のインターハイで3連覇を目指す強豪。父・藤田和之さんは日本最強と言われたプロレスラー&プロ格闘家で、「野獣」「猪木イズム最後の闘魂継承者」という肩書を持つ。父親譲りのパワーは卓越しているものの、引退して18年たった今でもワンマッチなら(トーナメントでも?)学生選手より強いと言われる松本監督相手には厳しい闘い。
しかし、女子重量級の未来に期待を感じさせた練習が続いた(報道陣からは、今もプロレスリング・ノアで現役を続ける藤田和之さんと松本慎吾監督の「ガチンコ対決を見たい」という声が挙がっていたが…)。
■53kg級アジア大会・世界選手権代表:清岡もえ(ALSOK=けがのためスパーリングはなし)「けがは重傷ではない。今の期間にしっかり治したい。(6月初めに出場したUWWランキング大会は)けがの影響はなかった。(決勝の)北朝鮮選手はグラウンドがうまく、返されなければ勝てた試合。ローリングのディフェンスが課題です。課題が明確になったので、出場してよかった。アジア大会と世界選手権に生かしたい。
(アジア大会は兄・清岡幸大郎との同時出場)2人で出られるのはすごいことだけど、満足することなく、アジア・チャンピオン、世界チャンピオンになれたらいいと思う。スタイルは兄に似ているので、見本としてやっていきたい」
---------------
■57kg級アジア大会・世界選手権代表:藤波朱理(レスター)「(負傷した)ひざの調子は、7割、8割くらいの回復。動く分には問題ない。今月中には完全に治ると思うので、7月、8月はしっかり追い込みたい。アジア大会は、パリ・オリンピック後の一番のモチベーション。名古屋であるのは、現役中には最初で最後。家族や友達が見に来てくれる大会は、これ以上はないモチベーションです。必ず優勝したい。
(連勝記録について)考えてしまって全部背負うことがあった。それでは、きつい。嫌だったのは、パリ終わってからですかね…。何のためにレスリングをやっているのか、と思った。注目されることはうれしいけど、連勝は目指すところではないと考えました。今は、言っていただいても気にすることはないので、大丈夫です(笑)」
---------------
■68kg級アジア大会・世界選手権代表:石井亜海(クリナップ)「明治杯で勝った選手とも、合宿ではこうして練習するので気が抜けません。(試合で勝つための課題は)タックルに入ったあとの処理です。しっかりやらないと、取れるところを取り切れないことになってしまいます。(自国開催)調整しやすいし、応援に来てくれる人がいるのがうれしい。もうチケット買ってくれた人もいるみたいです。技術の修正と、追い込むことを夏にしっかりやれば、自信につながると思います。
夏は(育英大などの)草津合宿に参加すると思います。走ることなど精神的に追い込まれるのが自信になるはず、と思っています。めっちゃ、きついです。(温泉で癒やされるのでは?)割に合わないほど、きついです(笑)。(実力アップにつながる?)たぶん…(笑)」
---------------
■76kg級アジア大会・世界選手権代表:鏡優翔(サントリー)「明治杯で感じた反省点を改善し、気持ちを作り替えて、きつい段階に入ったかな、という感じ。明治杯で攻めるレスリングができるようになったけれど、もっと自分の力でポイント力を上げたい。12月(全日本選手権)で、ギリギリの試合では逆転されるリスクを学んだので、二度と経験しないようにしたい。
12月に落ちて、そこからはい上がってつかみ取ったアジア大会代表なので、頑張る気持ちが違う。レスリングって楽しいと思っています。アジア大会は多くの人が見に来てくる。レスリングをよく分からない人にも分かるような点数が取れる試合をしたい。攻める展開の方が面白い」
この投稿をInstagramで見る