2026.06.17NEW

【2026年全国中学生選手権・特集】躍進するチームの勢いに乗って優勝…男子フリースタイル52kg級・細野維心(東京・IWC)

 2026年沼尻杯全国中学生選手権で、男女を通じて最多の66選手がエントリーした男子フリースタイル52kg級は、昨年の41kg級を制した細野維心(東京・イラン・レスリング・クラブ=IWC)が勝って2年連続優勝を達成。「安心しました」と安堵の表情を浮かべた。

▲昨年の41kg級、3月のU15全日本選手権に続いて優勝の細野維心(東京・イラン・レスリング・クラブ=IWC)

 準々決勝までの4試合は、フォールかテクニカルスペリオリティで勝つ順調な闘いだったが、準決勝と決勝はともに4点を先制される厳しい展開だった。

 準決勝は全国中学選抜U15選手権を2連覇中の廣里瑚朱(和歌山・Progress SHINGU)にタックルとローリングを受けて0-4とリードされ、決勝はU15全日本選手権2位の廣田悠真(猪名川クラブ)を相手に、第1ピリオドの中盤に4点タックルを受ける不覚。

 準決勝の4失点は首をひねるしぐさがあるなど、ポイントに納得いかないところもあった様子だが、決勝の4点タックルは「思ったより相手の力が強かったから」と、相手の強さを認めた。2試合に共通するのは、4点を失った直後の反撃で2点を返し、点差を縮めたこと。4点差と2点差では相手の気持ちも違う。すぐに追いつかなくとも、ポイントを取り返す強さが逆転につながったのだろう。準決勝は10-8、決勝は11-7での逆転勝利だった。

▲きつい闘いとなった決勝打が、最後は11-7で勝利=撮影・矢吹建夫

 リードされても「弱気にはなりませんでした」ときっぱり。その要因は、いつも強い選手の中で練習していることを挙げ、「どんなときも、最後まで取りにいく気持ちを持ち続けています」と言う。IWCはイラン人のガレダギ・シャハラム代表が運営。長男のガレダギ敬一(現早大)が昨年12月に全日本王者となり、今年4月にアジア王者に輝くなど強豪を輩出しているチーム。後に続く選手も気持ちが盛り上がるのは当然だ。

ガレダギ愛千(東京・自由ヶ丘学園高)とともにU15アジア選手権へ挑む

 細野はガレダギ愛千(敬一の弟=現東京・自由ヶ丘学園高)とともに3月のU15全日本選手権を制し、今月末のU15アジア選手権(タイ)への出場が決まっている。世界の舞台を目標に、さらに向上心が燃え上がることが予想される。

 U15アジア選手権は1階級下の48kg級での出場になるが、この大会へ臨むにあたっての計量は50.2kgだったそうで、大きな減量はない。「優勝して帰ってきます」と気合を入れた。

 シャハラム代表は「よく頑張りました。4点を先制されてびっくりしましたけど、緊張したのか、たまにはミスもあるでしょう」と振り返り、「これからどんどん伸びていくと思います」と期待する。クラブからアジア・チャンピオンが生まれ、2人がU15アジア選手権へ出場することで、雰囲気は最高潮と言う。

 吉田アラシ(現三恵海運)の活躍で市川コシティが有名になっているが、レスリング王国イランの伝統を伝授するもうひとつのクラブが、力強く輝き始めている。

▲IWCのガレダギ・シャハラム代表。イラン・パワーが、いよいよ世界で花開く=撮影・矢吹建夫