2026.06.02NEW

2026年U17アジア選手権(ベトナム)出場の女子チームが帰国

 ベトナム・ダナンで行われた2026年U17アジア選手権に出場した女子チームが6月1日、成田空港着のベトナム航空で帰国した。「金3・銀1・銅3」を獲得し、昨年の2階級優勝を上回ったが、国別対抗得点は168点で3年連続の3位だった。

▲成田空港での解団式

 赤坂美里監督(千葉・野田中央高教)「優勝した3人は自分の形を貫き、着実に点数を重ねる手堅いレスリングに徹した」と評価した。一方で、全体として、自分のアタックチャンスでないにもかかわらず、焦ったり、我慢し切れずにタックルにいたりして失敗するケースも多く、そのあたりに課題があると指摘した。

 男子と違って日米戦(現在は中止)や日韓戦があるわけではないので、外国選手との試合に慣れておらず、「海外経験の少なさが出た」とも言う。日本では「きれいなレスリング」が普通だが、海外ではそうではなく、指を固くつかんでブロックするなどは普通にある(注=指をつかんで相手の動きを止めたり、組み合いを避けたりはパシビティーの対象だが、瞬間的なら見逃されることが多い)。

 ラフな闘いでなくとも、どんな姿勢からでもアタックを仕掛けてくるなど、国内ではない攻撃を仕掛けてくるので、「戸惑う場面もあった。経験を積ませることが必要だと思いました」と言う。

 その中でも評価したことのひとつが、69kg級で岩崎梅乃(秋田・秋田商高)が銅メダルを取ったこと。昨年、61kg級以上の階級でメダルに手が届かないなど、最近は重量級でメダルを取る選手が少なかっただけに、「重量級の振興につながるメダルになると思われます」と話した。

 齊藤潤コーチ(東京・日体大桜華高教)「この世代では最近、インドと中国に負けているので、どうにかしたかった。大きな差があるわけではないが、追いつかなかった」と、国別対抗得点でインドと中国の後塵を拝したことが無念そう。

 3階級制覇は悪い成績ではなく、中国の4階級優勝には劣るが、インドの2階級優勝よりは上。優勝したインドは全階級でメダルを取っており、まんべんなく戦力がそろっていて、その差は大きい。

 男子フリースタイルでは、ラスト1秒で逆転勝ちした試合があり、女子も日本代表クラスではラスト1秒を切っての逆転勝利は見かける。この世代ではそうした粘りが足りず、勝負どころをしのげないと分析。「組み手もタックルも日本が一番だと思うが、それを生かし切れていない。国内でもっと厳しい競り合いがなければならないと思います」と、厳しい代表争いの中からのレベルアップを望んだ。

▲メダル獲得選手。左から岩崎梅乃(69kg級)、中西杏(40kg級)、佐々木未桜(46kg級)、荒川笑舞(53kg級)、田中結(57kg級)、木村椿(49kg級)、志田野乃美(43kg級)


 ■46kg級優勝・佐々木未桜(神奈川・釜利谷高)「うれしいですけど、アジアでの大会での優勝に満足せず、もっとレベルアップできるように頑張りたい。(3試合で失点0だが)自分から攻めているのが少なかった。あんまりいい試合ではなかったので、世界で通用するかどうか分かりません。パワーもスピードも、すべてレベルアップしないとなりません」

 ■53kg級優勝・荒川笑舞(北海道・帯広北高)「うれしいです。全部の試合でローリングを返せたことがよかったと思います。(準決勝は7-6の接戦)納得いってないです。練習不足なのだと思いますけど、後半に疲れてしまい、2回バックを取られてしまいました。体力のなさと守りの甘さが出ました。優勝したといっても、まだまだです」

 ■57kg級優勝・田中結(東京・JWA/東京・帝京高)「うれしい気持ちでいっぱいです。(フォール2試合、VSU2試合)もっと接戦の試合が多くなるかな、と思っていましたが、チャンスを逃さずに取り切ることができました。自分のやってきたことに自信になりました。まず国内で一番になることです。今週末にインターハイ予選があるので、国内でしっかり勝って世界を目指したい」

 ■40kg級2位・中西杏(三重・いなべ総合学園高)「国際大会での優勝はなかったので、優勝が目標でした。決勝は圧倒的な差をつけられて負けてしまい、悔しいです。最初に点を取られて焦ってしまい、そこを突かれて、さらに点を取られました。パワーの差も感じましたが、(自分のように)小さくても勝てる素早いレスリングを徹底したい」

 ■43kg級3位・志田野乃美(埼玉・埼玉栄高)「メダルを取れてうれしいですけど、次に遠征に行くときは金メダルを取れるように頑張りたい。(準決勝は3-4)がぶったのに下から巻かれて、それを2回も受けて先制されました。優勝したインドも強かったですけど、(決勝に行って)闘って勝ちたかった。正確に取り切る、足の位置を気をつける、すぐに動くなどを課題に頑張りたい」

 ■49kg級3位・木村椿(京都・丹後緑風高)「悔しい気持ちでいっぱいです。(0-5で負けた準決勝は)タックルに入ってからの処理ができなかったことが敗因。3位決定戦は、絶対にメダルを取って帰る、と思って、気持ちを切り替えましたけど、グラウンドの処理はうまくできなかった。タックルがまだダメなので、スピードと処理をもっとしっかりしたい」

 ■69kg級3位・岩崎梅乃(秋田・秋田商高)「自分はけっこうケガが多く、最近も2ヶ月くらい、満足に練習できていませんでした。そんな状況でもメダルを持って帰ることができ、よかったです。(負けたインド戦は)力の差とかは感じませんでしたが、嫌な体勢になって動きが止まってしまったことがよくなかった。反省点は多いです。まずケガを直すことが第一です。練習をしっかりできるようにしたい。目指すところは、ここではありません。世界一です」