昨年の東日本学生リーグ戦二部リーグで優勝しながら、リーグ改編で二部リーグから飛び出ることができなかった慶大。11大学・チーム出場の今年の二部リーグで、昨年まで一部リーグだった法大、大東大、青山学院大を破って優勝。昨年の優勝が“まぐれ勝ち”でなかったことを証明した。
しかし、神奈川大との入替え戦は1勝しか挙げることができず、1-4で黒星(どちらかが4勝した時点で試合終了)。12大学で構成される一部リーグへの昇格は来年の目標となった。
吾田鉄司監督は入替え戦のあと、「目標は一部昇格だったので残念な結果です」と話し、二部優勝の喜びはなし。ただ、個々の試合を振り返ると、選手は力を出し切った見ている。青山学院大との決勝では、チームスコア2-3となった第6試合で、髙橋慧大主将(61kg級)が粘り勝ちしてタイへ。最後の岡澤ナツラ(86kg級=昨年のインターハイ王者)へつないで勝利を挙げた内容は特筆もの。「結果には満足していませんが、内容には満足しています」と話した。
一部優勝チームから通しで順位をつけるなら「13位」(昨年は17位)。これは1972年以来、53年ぶりの快挙で、結果も着実に前進している。自信をもっていいリーグ戦となった。
その原動力は、慶應義塾高からインターハイ王者の岡澤のほか、国体王者の瀧澤勇仁が加入したこと。岡澤が決勝まで5戦全勝(テクニカルスペリオリティ4、途中棄権勝ち1)、けがをおしての出場となった瀧澤も3戦全勝(テクニカルスペリオリティ3)と期待にたがわぬ成績を見せた。
入れ替え戦では、瀧澤が接戦の末に黒星を喫し(チームスコア1ー2へ)、波に乗れなかった。同監督は「試合に出られる状態ではないくらいのけがだった。頑張ってくれたことを評価したい」と評価し、「けがのない状態なら、一部リーグでも十分にやっていける力を見せた。次に頑張ってほしい」と話した。
来年の一部昇格へ向け、2人の強豪新人の存在は力強い限りだが、部員の中にはレスリングへかける思いや勝利への執念がまだまだの選手がいるのが現状だという。「全員が強い気持ちを持ち、底上げをしていかなければ、一部昇格や、一部で闘うのは厳しいという気がしました」と言う。
今年のチームは1~3年生で構成されており、全員が来年の大会にも挑むことになる。一緒に練習している慶応義塾高校の選手にも有望な選手がいて、慶大への進学が予定されている。「来年は期待したい」と話し、一部リーグ昇格への思いを話した。