昨年3位だった日大が、新しいシステムでの闘いとなった2025年東日本学生リーグ戦でファイナルステージ出場を果たし、準決勝で山梨学院大に敗れながら、3位決定戦で中大を撃破。2年連続で3位を確保した。
セコンドからの熱いアドバイスで声をからし、かすれた声の齊藤将士監督は「去年と同じ順位を確保でき、その点ではホッとしています」と話し、最低限の成績はクリアしたことを話す。一方で、「日体大、山梨学院大との差が大きいですね」と、ともに1-6で終わった決勝進出チームとの差を痛感したことも事実。大会を通じて修正点が鮮明に見えたので、「時間をかけてしっかり直していきたい」と前を向いた。
実施階級は、86kg級の上が125kg級。そのため、125kg級に藤田龍星、吉田アラシ、新人の藤田宝星(埼玉・花咲徳栄高卒=高校五冠王者)が重なり、不運な面があったのは確か。以前から決まっているルールなので仕方がないが、「痛いですね~」と、97kg級のないルールがちょっぴり無念そう。
ただ、97kg級があっても、上位2チームとの差が逆転するわけではないので、軽中量級の強化が今後の課題となろう。
全体として、57kg級の倉本亮弥(3年)や70kg級の碓井晴登(3年)ら高校時代は全国的には無名だった選手が、拓大や早大との対戦で実績のある選手を破るまでに成長。「大事に育ててきた結果が出ています」と、昨年から始まった“齊藤体制”(コーチ就任は一昨年)の成果を強調。
昨年、国体王者として入学した永井陸斗(2年)が予選リーグで4戦全勝、準決勝で全日本王者の須田宝(山梨学院大)と2-4の善戦を展開するなど順調に伸びている。今春、インターハイ王者として入学した74kg級の吉田アリヤ(JOCエリートアカデミー卒)も、高橋海大(日体大)ら学生トップ選手に勝つことはできなかったが、潜在能力の高さを見せたことは確か。
それらの選手をさらに伸ばし、実績のない選手でもしっかりと育てていくことで、来年は3位の壁を破るまでにチーム力を伸ばす腹積もりだ。ショーアップされた決勝戦の舞台は「いいですね」との感想。「時間はかかるかもしれませんが、必ずあの舞台に立って優勝したい」と、気持ちを新たにした様子。
このあと、東日本学生選手権・新人戦、全日本学生選手権と個人戦が続く。「勝てる選手は、確実に勝たせたい。負けていい試合はない」と、勝ちぐせをつけることを主眼におき、個々の実力アップをはかる。11月の全日本大学選手権は学校対抗戦も兼ねる大会なので、昨年の5位を上回る成績が望まれよう。
監督に就任してから1年が経ち、学生の気質も分かってきた。「指導を素直に聞いてくれます。まとまりのあるチームであることに感謝しています」と話し、より強固な齊藤体制をつくっていく。