(文=成國晶子 / 写真提供=滋賀県レスリング協会)
滋賀県の日野町70周年記念イベントとして3月8~9日に同町大谷公園体育館で開催された「第10回日野町少年少女大会」。地元企業の多くが協賛し、地域全体で盛り上げるイベントとなり、町全体で熱い応援ムードが広がりました。試合には幼児から高校生までの幅広い層が参加し、東京から岡山県に至るまで全国各地からの選手が集結。会場は熱戦の連続で大いに沸きました。
さらに、昨年のパリ・オリンピック金メダリストの文田健一郎選手(ミキハウス)が来場し、特別にエキシビジョンマッチを披露。会場は大歓声に包まれ、特別な一日を象徴するハイライトのひとつでした。
試合会場の外では、地元の業者が出店して近江牛や団子といった地元の特産品を楽しめるイベントも開催。家族連れや観戦客でにぎわい、試合以外の面でも会場全体が活気にあふれていました。
開会式では地元のチアリーダーズが華やかなパフォーマンスで大きな盛り上がりを見せ、女子野球チームなどの多くの観客がレスリング選手たちを応援する姿が見られました。大会初日から地域の一体感とスポーツの熱気が感じられる素晴らしいスタートとなりました。
2日目には、高校生によるグレコローマンの試合や、中学生による熱戦が繰り広げられました。滋賀県はこれまで多くのグレコローマンの選手を輩出してきた伝統を持っていますが、現在ではフリースタイルやジュニア選手の強化にも力を入れています。今年、同県栗東市で開催される国民スポーツ大会(国スポ=9月29日~10月2日)に向けて、特にレスリング競技への注目が高まっており、成年選手への期待も非常に大きいものとなっています。
大会実行委員の北岡秀王委員長(滋賀県レスリング協会強化委員長)は「成年選手には地元出身で実力のある選手に日本のトップ選手が加わり、彼らが協力してくれる中で、少年選手たちがどれだけ力を発揮できるかが重要です。大学や強豪高校に練習をお願いすることで、少年選手たちも徐々に実力を伸ばしています。高校生や成年選手たちの姿を見て、幼い選手たちにも刺激を受けてほしい」と語ってくれました。
国スポに向けた目標については、「成年選手は優勝を目指しています。少年選手も成年に負けないように3位入賞を目標にし、1人でも多くの優勝者を輩出し、総合優勝を目指している。残り半年ほどの期間で最大限の努力をし、選手や関係者みんなが参加してよかったと感じられる大会にしたい」と意気込みを語りました。
大会2日目を通じ、地域を挙げた選手育成への熱意と、未来のレスリング競技を担う若者たちへの期待が強く感じられる一日となりました。(下記動画は、田中理事長と藤井、稲葉両選手)