日本レスリング協会の副会長を長く務め、プロレスのみならずレスリングの発展に尽力した東京スポーツ新聞社の太刀川恒夫・元代表取締役社長(現名誉会長)が2月13日、死去された。同社が25日、発表した。
1990年に東京スポーツ新聞社の社長に就任した同氏は、当時の福田富昭副理事長(のちの協会会長)の強い要望を受けてレスリングの支援にも力を入れ、1992年からプロレス大賞にレスリング特別賞を入れて表彰。東京スポーツ新聞格技振興財団を設立し、レスリング協会の協賛企業として資金面をバックアップしたほか、競技力が低迷していた1990年代からアジア選手権と世界選手権に記者を派遣し、レスリングの広報活動に貢献した。
福田富昭・日本協会名誉会長は「スポーツ新聞が特定の競技のバックアップをするのはおかしいという声があがると、格技振興財団をつくって、そこから柔道など格闘技全体を支援していただいた。心と心のつながりで一緒に歩んできた。感謝の気持ちしかない」と思い出を話した。
すぐに御霊前に手を合わせに行きたかったそうだが、葬儀は家族葬で終わっており、生前に伝えた強い遺志によって「お別れの会」などは行わず、厚志も辞退するとのこと。同名誉会長は「お墓に入ったあと手を合わせに行き、あらためてお礼を伝えたい」と、深い哀悼の意を示した。