全日本女子チームの新スタッフに加わった伊調馨コーチ(ALSOK)と小原日登美コーチ(自衛隊)が、1月30日の全日本合宿の公開練習で、インタビューに応じた。
--コーチ就任が決まったときのお気持ちをお願いします。
伊調 選手時代が長かったので、コーチとしてやっていく覚悟というか、選手と違う立場で参加することに対して複雑な気持ちがありました。自分の中で、選手としては一区切りついた、という感じです。これからはコーチとして選手と接していき、その中でコーチとしての技術を上げ、選手から学びながら頑張っていこうと思いました。
小原 東京オリンピックの前に自衛隊のコーチになりましたが、所属を越えた選手のコーチは初めてです。所属を越えて日本代表選手が国際大会で優勝できるように、自分自身も成長して頑張りたいと思いました。
--コーチとして初めて全日本合宿に参加した今のお気持ちは?
伊調 緊張しています。
小原 自衛隊でコーチはやっていましたが、初めてナショナルチームのコーチとなりました。緊張していますが、選手のために頑張りたいと思います。
--きょうの練習で、選手の反応については、どんな感想を持たれましたか?
伊調 ナショナルチームの選手なので、意識は高く、しっかり会話ができます。分かっているのかな、という疑問は生まれなかったです。分からないことや、どうやったらいいかなどは聞いてくるし、自分もしっかり伝えられました。コミュニケーションはしっかりとれたと思います。この点を今後、伸ばしていきたいと思います。
小原 意識が高いことは感じました。分からないことがあれば、自分から聞いてきた選手もいて、積極性を感じました。
--レスリングのレベルをさらに上げるために、必要なことは何と考えていますか?
伊調 パリ・オリンピックでは競った試合も多い中で金メダルを取りました。一歩間違えば負けていた試合もありました。しっかりと勝ち切る練習をしなければならないと思います。次のオリンピックはアメリカ開催なので、アメリカが力を入れてくるはずです。これからいろんな経験をしながらやっていきたいと思います。
小原 技術はもちろんですが、外国選手は力が強いので、フィジカルやメンタルの強化も含めて総合的にレベルアップしていくことが大事だと思います。
--現役選手として全日本合宿に参加していたときと比べ、雰囲気などが変わっている点、逆に変わっていない点はありますか?
伊調 明るい選手が多い、と感じました。練習とそうでないときちの切り替えがうまいというか…。練習は練習、遊びは遊び、としっかり分けて接することが必要と感じました。明るいということは、積極性があっていいことだと思います。
小原 練習に対する意識は、どの選手も高いと思います。私達の時代は、おしゃれ、爪にマニキュアをしたりとか、ないことはなかったんですけど、控えることが多かったです。今の選手は、おしゃれも練習を頑張るひとつのモチベーションなのかな、と思います。
--どのようなことを注意して指導されていましたか?
伊調 自分の思いをダラダラ話してもよくないと思い、キーワードだったり、ポイントを3つ挙げたり、なるべく簡潔に、かつ具体的に言えたらいい、と思ってやっていました。
小原 自分がやってたいたことを言葉にするのは、とても難しいことを感じています。選手がやりやすいように、言葉は短く、簡潔に伝えるようにしていました。
--豊富な国際大会の経験から、選手に伝えたいことは?
伊調 ナショナルチームのコーチに就任したということは、対海外選手を考えていかないとならないと思います。日本人同士の対戦もかなりレベルが高いわけですけど、ナショナルチームのコーチなら外国選手相手を想定した指導をしていかなければ、と思っています。海外経験といっても、(自分が闘っていたときと)時間が空いているので、新しい選手もたくさん出てきています。経験をふまえながら、研究してやっていこうと思います。
小原 海外選手の技術に対応することも必要ですが、気持ち、メンタル面も大事です。これまで女性のコーチは少なかったと思います。女性の感覚として選手をサポートしていきたいと思います。