※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ワシントン州遠征チーム団長 越智雅史(愛媛・今治工高教)
今年度、3年ぶりに日米交流が再開されました。団長としてこのような貴重な体験をさせていただきとても感謝しています。
今年で60回目を迎える日米交流に、私も30年前に選手として参加させていただきました。今回はワシントン州遠征とカリフォルニア州遠征の2チームが日本代表チームとして派遣されました。
1月3日、成田東武ホテルエアポートで結団式が行われました。コロナ禍の遠征であること、日本代表選手であること、この遠征が実現するために関わっていただいた方々に感謝する気持ちの大切さなどを感じながら米国遠征がスタートしました。
1月4日、シアトルに到着し、出迎えのルーカスさんと合流しました。メープルバリーにあるタホマ高校に到着し、初日は地元の高校生による対抗戦を観戦。翌日には体育の授業に参加させていただき、アメリカンフットボールも体験しました。
午後からは合同練習が行われ、日本の高校生が英語で技術指導を行う場面が見られました。また、フォークスタイルを経験し、技術の習得で交流を深めました。タホマ高校ではフリースタイルで親善試合を行い、2校目のレイクスティーブン高校に移動しました。
ここでは、試合は行われなかったものの、ディセプション・パス州立公園にてトレイルトレーニングを行いました。3校目のエドモンズ高校では、エドモンズ市長を表敬訪問させていただく貴重な機会がありました。また、シアトルに近いということもあり、スペースニードル、パイクプレイスの見学を体験することもできました。
4校目のファーンデール高校では、急きょ来校したカナダチームとも親善試合を行いました。5校目のサマナー高校でも体育の授業に参加させていただき、バレーボールで地元の高校生たちと交流をしました。
どの試合会場でも、日本チームのダイナミックでスピードのあるレスリングに対して拍手や大歓声があがり、あらためてアメリカでのレスリング競技の人気の高さに感激しました。
フリースタイルで試合が行われたため、地元の選手はアンクルホールドなどの回転系の技に対応できず、日本選手が圧勝するケースがほとんどでした。交流であることを考慮すると、高校生たちがフォークスタイルの試合に挑戦し、アメリカのレスリングを体験する方が、彼らの将来の経験につながるのではないかとも感じました。
今回のチームには、U15、U17の国際試合を経験している選手もいれば、初めて海外遠征を経験する選手もいました。ライトアップされて緊張感が増す中での試合に、チームが支え合い、声援を送り合う姿には感動しました。
試合以外のホームスティ先では、ホストファミリーの心のこもったおもてなしで、選手同士の友情をはぐくむことができました。日本人のホストファミリー宅にお世話になる機会もあり、英会話のコミュニケーションの不安を解消し、充実した時間を送ることができました。
また、授業参加や商業施設見学など、アメリカの歴史と文化を肌で感じることができ、スケールの大きさとダイナミックさを痛感しました。
最後になりましたが、今回の遠征で経験し学んだことを将来に役立てたいと思います。この中から、2028年ロサンゼルス・オリンピックのメダリストが誕生することを願っています。
コロナ禍において遠征を実現させていただいた日本レスリング協会の皆様、全国高体連レスリング専門部の皆様に感謝の意を表し、報告とさせていただきます。