※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
日本協会は10月1日、都内で理事会を開催し、福田富昭会長と江藤正基専務理事がそれぞれの役職を辞任したことに伴い、新会長に富山英明副会長、新専務理事に藤沢信雄副会長がそれぞれ就任することを承認した。富山・新会長は1932年設立の本協会の第8代会長。藤沢・新専務理事は副会長も兼ねる。10月1日付け。
福田会長と江藤専務理事は、ともに東京オリンピック終了後に辞意を表明。理事会は辞任を承認し、後任人事を話し合あった結果、富山副会長と藤沢副会長がともに昇任することになった。
福田会長は今年6月の役員改選で会長職を辞する意思を示したが、2003年以来、長年にわたって協会の発展に尽力してきた功績に対し、「東京オリンピックで胴上げをして有終の美を」(富山・新会長)という理事会の大多数の意見に押され、東京オリンピックが終わるまでを前提に10期目の会長職を受諾した。
地元オリンピックが終わり、予定通り退任を決めた。6月まで専務理事代行だった江藤氏も、福田会長に歩調を合わせて専務理事に就任し、オリンピック後に辞意を表明した。福田会長は理事職からも離れて名誉会長となり、江藤専務理事は理事職に留まる。
福田会長の後任理事は、臨時評議員会を経て正式決定する。報道への会見には参加しなかったが、富山・新会長を通じて下記のメッセージを寄せた。
「2003年に会長に選任されて以来、18年間にわたって会長として義務をまっとうしてきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。この度の東京オリンピック大会の終了を区切りとし、あと3年に迫ったパリ・オリンピックで皆様の期待に応えるためにも、優秀な人材の多いレスリング協会では、新しい体制で臨んでいただきたい。日本レスリングの伝統を世界に知らしめることが大切であると思い、会長の職を辞することとしました。引き続き、日本レスリング協会をご支援くださるよう、よろしくお願いします」
富山・新会長は「前会長が偉大すぎて、やっていく自信はないのですが、若い力を結集し、前に向かってやっていくしかない。パリまで3年間、全力で取り組み、東京オリンピック以上のメダルを取りたい」とあいさつ。現役時代に富山・新会長とともに世界選手権に出場したこともある藤沢・新専務理事は「微力ながら富山新会長を補佐したい。まずパリ・オリンピックに向かって全力を尽くしたい」と話した。
今後の強化体制については、この日、富山・新会長を委員長とした指導者選考委員会を発足。12月の全日本選手権のあとの理事会までに、同委員会でナショナルチームの責任者とスタッフを選考し、理事会の承認を得たうえで、新体制をスタートさせることとした。
理事会では、東京オリンピックのメダリストへの褒賞金が承認され、金メダリストに100万円、銀メダリストに50万円、銅メダリストに30万円、副賞として全メダリストに50万円相当の旅行券の授与が承認された。