※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
3月18日からハンガリー・ブダペストで始まる東京オリンピックの欧州予選の女子は、19~20日に行われ、各階級ともオリンピック出場権が与えられる上位2選手を目指して激闘が展開される。各階級の見どころをさぐった。
欧州からは、2019年の世界選手権で強豪が順当に出場枠を獲得している。2020年欧州選手権優勝で個人戦ワールドカップ3位のミグレナ・セリシュカ(ブルガリア)、2019年の世界選手権7位のエビン・デミルハン(トルコ)らが加わるか。
Selishka Georgieva, Miglena / Demirhan, Evin
【2019年世界選手権・出場枠獲得選手】
Stadnik, Mariya(アゼルバイジャン)
Vuc, Alina Emilia(ルーマニア)
Islamova – Brik, Valentina(カザフスタン)
Poleshchuk, Ekaterina(ロシア)
Livach, Oksana(ウクライナ)
Sun, Yanan(中国)
アジアが4階級で出場枠を手にしており、欧州の強豪はかなり残っている。2018・19年欧州チャンピオンのスタルビラ・オルシュシュ(ロシア)、2019年欧州大会優勝のソフィア・マットソン(スウェーデン)、2020年欧州チャンピオンのバネサ・カラジンスカヤ(ベラルーシ)らが浮上してくる可能性が高い。
Orshush, Stalvira / Mattsson, Sofia / Kaladzinskaya, Vanesa
【2019年世界選手権・出場枠獲得選手】
Pak, Yong-Mi(北朝鮮)
向田真優(日本)
Pang, Qianyu(中国)
Vinesh(インド)
Prevolaraki, Maria(ギリシャ)
Zasina, Roksana Marta(ポーランド)
2020年欧州選手権優勝のグレース・ジェイコブ・ブレン(ノルウェー)、2019年欧州選手権優勝のエメセ・バルカ(ハンガリー)、2019年U23世界選手権2位のアリナ・アコビヤ(ウクライナ)らが出場枠を争うか。
ロシアからは、シニアの世界選手権の出場経験はないが、昨年、ヤリギン国際大会、ロシア選手権、ポーランド女子オープンを勝ち、個人戦ワールドカップ3位のベロニカ・チュミコワが挑む。
Bullen, Grace Jacob / Barka, Emese / Akobiya, Alina
【2019年世界選手権・出場枠獲得選手】
川井梨紗子(日本)
Rong, Ningning(中国)
Adekuoroye, Odunayo Folasade(ナイジェリア)
Kurachkina, Irina(ベラルーシ)
Wrzesien, Jowita Maria(ポーランド)
Nichita, Anastasia(モルドバ)
ウクライナからは、世界一に輝いたこともある2020年欧州チャンピオンのユリア・トカチではなく、2019年世界選手権65kg級2位のイリーナ・コリアデンコがエントリー。階級ダウンを乗り越えて勝ち抜けるか。ロシアも2020年欧州選手権2位のインナ・トラジュコワではなく、昨年のロシア選手権優勝で個人戦ワールドカップ3位のリュボフ・オフチャロワ。新顔が出場枠を手にするか。
アナスタシヤ・グリゴリェワ(ラトビア)は、2016年リオデジャネイロ・オリンピック出場のあと68kg級で闘っていたが、62kg級に戻って個人戦ワールドカップで2位。同59kg級2位のマリアナ・チェルディバラ・エサヌ(モルドバ)とともに、階級変更に挑む。
Tkach, Yulia / Koliadenko, Irina / Trazhukova, Inna / Ovcharova, Lyubov /Grigorjeva, Anastasija / Cherdivara-Esanu, Mariana
【2019年世界選手権・出場資格獲得選手】
Tynybekova, Aisuluu A(キルギス)
Yusein, Taybe Mustafa(ブルガリア)
川井友香子(日本)
Johansson, Henna Katarina(スウェーデン)
Sastin, Marianna(ハンガリー)
Rim, Jong-Sim(北朝鮮)
2019年世界ジュニア選手権3位のカヌム・ベリエワ(ロシア)が、昨年の「ヤリギン国際大会」と欧州選手権を制す急成長を見せ、出場枠獲得戦線に浮上しそう。個人戦ワールドカップは3位。同2位で、前回、ワイルドカード(主催者推薦枠)ながらチェコ女子で初のオリンピック出場を果たしたアデラ・ハンズリチコワの連続出場なるか。
個人戦ワールドカップ72kg級を制したユリアナ・ヤネバ(ブルガリア)がこの階級でオリンピック出場を目指す。
Velieva, Khanum / Hanzlickova, Adela /Yaneva, Yuliana Vasileva
【2019年世界選手権・出場資格獲得選手】
Mensah-Stock, Tamyra Mariama(米国)
Fransson, Jenny Eva Maria(スウェーデン)→ドーピング違反のため、出場できないものと思われる
Soronzonbold, Battsetseg(モンゴル)
Schell, Anna Carmen(ドイツ)
Cherkasova, Alla(ウクライナ)
土性沙羅(日本)
昨年予定されていた欧州予選のエントリーで、ロシア代表は約1ヶ月前の欧州選手権を制したエカテリナ・ブキナだったが、今回は2019年世界選手権72kg級優勝のナタリア・ボロビエワ(2012年ロンドン・オリンピック優勝)。出場枠を獲得しても、ロシア国内での争いが予想され、オリンピックのマットに立つ選手はどちらか読めない状況。
2017年世界選手権75kg級優勝のヤセミン・アダー(トルコ)は、個人戦ワールドカップ2位と実力をキープ。同3位だったバシリサ・マルザリウク(ベラルーシ)とともに出場枠獲得圏内にいる。
Bukina, Ekaterina / Vorobieva, Natalya / Adar, Yasemin / Marzaliuk, Vasilisa
【2019年世界選手権・出場資格獲得選手】
Gray, Adeline Maria(米国)
皆川博恵(日本)
Rotter Focken, Aline(ドイツ)
Mae, Epp(エストニア)
Zhou, Qian(中国)
Syzdykova, Elmira(カザフスタン)