2016.12.13

【世界選手権・特集】「来年もこの舞台に出られるように練習します」…女子60kg級・坂野結衣(日大)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【ブダペスト(ハンガリー)】向田真優(至学館大)の金メダル獲得を受けて世界選手権の女子60kg級のマットに上がった坂野結衣(日大)。3回戦までは順調に勝ち上がったが、準決勝で世界ジュニア選手権59kg級3位のペイ・シングル(中国)に苦杯。最低でもメダルを目指したが、地元ハンガリー選手に敗れ、5位に終わった。

 笹山監督(自衛隊)の試合後のアドバイスを受けた坂野は「この舞台に立つことに多くの人に支えてもらったのに…。こういう結果に終わってしまって申し訳ない」と泣きじゃくり、「実力がないことが分かった」と続けた。

■終了間際の攻防に課題が残った

 中国戦は第2ピリオド序盤までに0-5とリードされる劣勢ながら、そこから盛り返し、一時は6-6のラストポイントで勝っている状態までに追い上げた。残りは13秒。ここで相手の猛攻を防げずに場外へ出てしまったが、この時、時計が動いておらず、日本陣営は「場外で出た時は13秒を経過していた」としてチャレンジ(ビデオチェック要求)。

 「タイムアップ」という意図が伝わったかどうかは分からないが(グラウンド状態で場外に出たことを主張するチャレンジと受け取られた可能性もある)、ビデオを見た結果、場外に出されたのは10秒後くらいで、無念のチャレンジ失敗。6-8で敗れた。

 3位決定戦は、逆に第1ピリオドを4-0とリードしながら、4-4に追いつかれ(この時点ではビッグポイント差でリード)、場外に出されて4-5。逆転を狙ったがぶり返しは失敗し、万事休した。

 ともに、終了間際の相手の逆転を狙ったタックルで場外に飛び出したことで、手中にあった勝利を落としてしまった。「気持ちの弱さが出てしまいました」と振り返る。勝利につなげる瀬戸際の粘りや、相手のタックルをしっかりと防ぐ技術があれば勝利につなげられただけに、この面が今後の課題となるだろう。

 「前よりはタックルを取れるようになったことが分かった」という収穫もあったが、「とても悔しい気持ちでいっぱいです。来年もこの舞台に出られるように練習していきたい」と、リベンジを誓った。