※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
メダルに手が届かなかった多胡島伸佳(早大)
敗れたとはいえ、準決勝は一時6-0とリードする善戦。決勝進出も考えられた内容だったが、3位決定戦ではいいところなく終わった。「午前の試合(準決勝まで)に比べて3位決定戦は動きが悪かった。理由や、どうやって修正すればいいのか分からないまま試合が終わってしまった」と振り返る。「いい感じできていたのに、最後が駄目だったので、悔しい気持ちが強いです」と無念の表情。
準決勝までは、やってきたことが間違いではなかったと思える内容だっただけに、悔やまれる失速。ファイナルの舞台だったからなのか、休憩時間の過ごし方がまずかったのかは分からないが、「こうしたこともある。気持ちの切り替えができなければならない」と話し、今後の克服すべき点となるだろう。
■課題の克服のために、日本全体のレベルアップを望む
課題点といえば、相手の脚を取っていいところまで攻めながらポイントにつなげられないことも多々あったことが挙げられよう。「日頃の練習の甘い部分が出たのだと思います」と話すとともに、「こうしたことの克服は自分だけでできるものではない、練習環境自体が変わっていかなければならない」と言う。簡単にポイントをやる選手ばかりでは、克服したくてもできないわけで、日本全体がレベルアップし、その中で練習できることを望んだ。
アジア選手権と世界選手権を経験し、国際試合に対する感覚が変わってきたという。「まだまだですが、外国選手相手に物怖じしなくなった。そうなって、初めて戦略的なことを考えられるようになった」と、経験を積んだ成果を話した。「結果を出さないと意味がないので、結果につなげたい」と言う。
「国内でしっかり足場を固めて、もう一度世界の舞台に立ちたい」と、70kg級で再度日本一となり、冬の遠征を経験して来年の世界選手権出場を目指す。