韓国の聯合ニュースは、かつて栄華を誇りながら現在は低迷している韓国レスリングが、今月末のアジア大会(名古屋市)へ向けて悲壮な決意を固め、「豚肉ギフト」を“目の前のニンジン”にして選手を鼓舞することを報じた。
8月19日に行われたアジア大会へ向けての会見で、1992年バルセロナ・オリンピック金メダリストの安漢奉監督は「我々は後がない状況にある。選手たちが奮起し、韓国レスリングが死んでいないことを証明してくれると信じている」と決意表明。
2023年の前回大会の男子グレコローマン60kg級銅メダルのチャン・ハンジェ(鄭漢宰)は、昨年の世界選手権63kg級2位で、今大会は67kg級に出場する。「ここにいる全員が監督と同じ目標を抱いていると思う。金メダルを獲得し、韓国レスリングの強さを証明したい」と意気込みを話した。
会見は、通常なら明るい雰囲気で行われるが、「この日は厳粛なものとなった。来るアジア大会に向けた合同記者会見の席で、監督と選手たちが感極まって涙を流した」とのこと。選手と関係者が低迷を悔しがるシーンもあったそうだ。
韓国レスリング協会のキム・イクホン会長は「関係者は既得権益を守ることばかりに気を取られ、指導者の対応は安易で、選手たちの精神状態も乱れていました」と、低迷の原因を厳しく指摘。「単に『再起する』と言い続けることは許されません。我々全員が、自らの姿を鏡に映して見つめ直す必要があります」と、協会が変わらなければならないことを話した。
同会長は豚肉加工会社を経営している。今回のアジア大会の金メダリストには2年間、銀・銅メダリストには1年間、毎月豚肉のギフトセットを贈ることを明らかにし、「目の前のニンジン」で選手のやる気を鼓舞するという。
韓国は、1988年ソウル・オリンピックへ向けて強化を進め、1990年代はグレコローマンでアジアの盟主へ、フリースタイルはイランと双璧の強さを誇った。しかし地元開催から30年近くたった2010年代後半には実力が低下。
2021年東京オリンピックでは、1972年ミュンヘン大会以来のメダルなしに終わり、2024年パリ大会でもメダルなし。2023年のアジア大会は銅メダル2個だった(関連記事)。