2026.08.25NEW

【2026年全日本学生選手権・特集】全日本トップ選手に囲まれての練習で実力アップ…1年生王者に輝いた秋保大地(早大)

(文=布施鋼治)

 2026年全日本学生選手権第2日、男子グレコローマン82kg級を制したのは1年生の秋保大地(早大)だった。グレコローマンに限れば、大会史上12人目の1年生王者。準決勝は昨年2位の谷﨑工之助(山梨学院大)、決勝は同優勝の松崎繕弘(拓大)が相手で、ともに豪華な俵返しを決めての勝利は、ひときわ目立っていた。

▲決勝でも前年王者を相手に豪快な俵返しを決めた

 その要因を聞くと、秋保は「早大に入って、上にも下にも全日本選抜チャンピオンがいることですかね」と答えた。

 「上にも下にも」とは、今年5月の明治杯全日本選抜選手権・男子フリースタイル79kg級優勝のガレダギ敬一と同92kg級を極めた金澤空大を指す。練習相手として、昨年の全日本選手権・男子グレコローマン82kg級準優勝の掛川零恩主将がいる(負傷のため試合には出場せず)。全日本で活躍する先輩たちにもまれ、秋保は強くなった。

 「すごくいい環境で練習できていると思う」

▲決勝で2度目のリフト技を決める。1分41秒で勝負を決めた

 レスリングは幼稚園の年中から東京・MTX GOLD KIDSで始めた。「友達に誘われたことがきっかけです。ウチはレスリング一家とかではないんですけど」

 それから12年以上、この競技を続けている。「小学生くらいまではずっと嫌いで。でも成國晶子先生が怖くて、『やめる』って言い出せず続けている感じです(苦笑)」

高校時代の恩師を追って“二刀流”に挑戦

 楽しくなったのは東京・文化学園大杉並高に進学し、成國の長男・成國大志コーチの指導を本格的に受けるようになってからだ。

 「試合になったら必ずマッサージや温泉に連れていってくれました。大志コーチを含めて、いろいろな方のサポートに気がつき始めたらレスリングが楽しくなってきた

▲高校時代、成國大志コーチの指導を受けて成長=2025年全国高校選抜大会

 成國大志はフリースタイルとグレコローマンの両スタイルで全日本王者になっている。そんな師から刺激を受け、秋保も“二刀流”を目指す。「どっちにも取り組みたいという思いもあって、早稲田を選んだ理由もあります。早く大志コーチに追いつけるように頑張りたい

 翌日から始まったフリースタイルでは79kg級にエントリーしたが、負傷のため棄権した。それでも早大に入学して出場した今年7月の東日本学生選手権(春季)・新人戦では両スタイルで優勝するなど、早くも大器の片鱗(へんりん)を見せている。

 大学生としてのキャリアは始まったばかり。「大志コーチと一緒に全日本王者になって、そろって世界選手権へ行けたらと願っています

▲優勝を決め、梅林太朗コーチとがっちり握手

 現在のところはグレコローマンの方が成績はいいが、どちらに専念するという考えは、今のところはない。「両スタイルでメダルを獲ることが目標なので

 今年12月の天皇杯全日本選手権は、成國との師弟による二刀流コンビで、両スタイルで暴れ回るのか。