7月のインターハイ55kg級優勝の小此木仁之祐(宮崎・櫻美学園)が、2026年全国高校生グレコローマン選手権では1階級上の60kg級に出場。地力を発揮して初日の4試合をテクニカルスペリオリティ勝ち3試合という内容で勝ち進んだ。
しかし、翌日の準々決勝でJOCジュニアオリンピック(JOC杯)U17-60kg級優勝の薬野柑太(東京・自由ヶ丘学園)に2度、リフト技を決められて完敗。慣れないスタイルで、しかも1階級上の強豪には歯が立たず、「グレコローマンは難しかった」と振り返った。
東京・WRESTLE-WIN時代の2023年にJOC杯U17でグレコローマンに出た経験はあるが、現在はフリースタイルの練習が中心。グレコローマンはこの大会の約1週間前から練習した程度だという。マットに上がれば負けん気は出るだろうが、「フリースタイルよりは気楽にできました」と言う。
それでも、薬野は昨年のインターハイ60kg級チャンピオンなので、「フリースタイルでの試合で闘うときは負けたくない」ときっぱり。10月の国民スポーツ大会は、スタイルが分かれての出場となるので闘うことはないものの、「違うスタイルのライバルとして、お互いに頑張っていきたい」と、今回の対戦を機に切磋琢磨が始まりそう。
小此木が人目を引いたのは、左右で色が違うシューズを履いていたこと。オレンジ色など目立つシューズを履く選手は見かけるが、左右で色が違うケースはあまりない。インターハイのときは左右同じだった。
その意味を聞くと、「レスリング(の試合そのもの)だけでなく、他のところでも目立とうかと思いまして…」と照れ笑い。昨年のU17世界選手権を制してはいるものの、高校生の大会では優勝がなかったのでインターハイでは遠慮したが、優勝したことで“目立とう精神”が全開。国民スポーツ大会でも、左右のシューズを違えて出場するそうだ。本来のフリースタイルだけに、今度は優勝して目立たねばなるまい。
その先には全日本選手権への挑戦が視野に入っており、「自分のレスリングをして、全日本のトップ選手を倒したい」ときっぱり。
出場を予定している男子フリースタイル57kg級は、2年前のインターハイ王者の小川大和(長崎・島原高~日体大)が昨年の全日本王者に輝き、今年のアジア大会と世界選手権の代表にもなっている。実は、一昨年の国民スポーツ大会(少年55kg級)で、小此木は2歳上の小川を破っている。
もちろん、両者の実力が平行線のままのはずがなく、今は小此木が挑戦する立場。そのことは十分に認識しており、「小川大和選手を倒さないとならないので、そのあたりを意識してやっていきたい」と言う。
樋口黎(ミキハウス)や小野正之助(米国ペンシルベニア州立大)の参戦が予想される日本伝統の階級に、小川大和に続く若手が台頭するか。