2026.08.18NEW

【2026年全国高校生グレコローマン選手権・特集】「この優勝の感激は今日だけ」…4冠獲得の小西寿(京都・京都八幡高)が高校五冠王者へ“王手”

 2026年全国高校生グレコローマン選手権は、昨年の80kg級を制した小西寿(京都・京都八幡高)が92kg級を制し、全国高校選抜大会、JOCジュニアオリンピックU20、インターハイに続いて今季4個目の全国タイトルを手にした。

 勝った翌日には東京に向かってU20世界選手権代表チームに合流し、その翌日にはスロバキアへ向かった。両スタイルにまたがり、さらに国内外にわたって八面六臂(はちめんろっぴ)の大活躍だ。

▲6試合にテクニカルスペリオリティ勝ちして優勝の小西寿(京都・京都八幡)

 全国高校選抜大会92kg級優勝の吉田修(佐賀・鳥栖工)戦を含めた6試合すべてでテクニカルスペリオリティ勝ちで、総スコア52-1(1試合平均2分25秒)という数字から、出場選手の中で大きく抜け出していたことが分かる。

 唯一の失点は4回戦の嵐唯翔(栃木・足利大附)戦で、場外際でもつれたとき、かわされて場外に出された失点。そこに至るまでに攻めていたのは小西であり、大勢に影響のない失点だった。

▲全国高校選抜王者同士の対決となった準々決勝。グレコローマンでの対戦では、小西寿(青)が吉田修(佐賀・鳥栖工)を破った

最後の国スポで難敵との再戦があるか

 小西は「今年の目標は高校5冠王。4つ目が取れてホッとしています」と話し、達成すれば史上13人目(JOCジュニアオリンピックで、U20の優勝に限れば8人目)となる高校五冠王者に大きく前進したことに安堵の表情。もしU20世界選手権とこの大会の日程が重なったら、日本代表としての闘いより高校五冠王者獲得を取ったそうで、5冠王者に並々ならぬ気持ちを持っていた。

 全試合をテクニカルスペリオリティで圧勝した原動力は、前に出る圧力の強さだろう。相手は守るのに精いっぱいで、それでスタミナを使い、攻撃する力がなくなる。その中でも、浅井努監督や北村公平コーチから課題として指摘されているのが、場外へ押す出すときに脚がついていかない動きがあること

 上半身の攻防で争われるグレコローマンだが、スタンドでの攻防で必要なものは、むしろ下半身の力。相手に押し込むときに下半身がついていかないと、確実に場外ポイントを取ることができない。試合では、セコンドから「脚で押し出すんだ」という声がよく飛んでいたが、このあたりが今後の強化ポイントか。

▲下半身もしっかりついていけば、確実に相手を押し出せるはず

 最後の関門となる国民スポーツ大会(10月12~15日、青森・八戸市)はフリースタイルでの出場となり、インターハイで苦戦した中納京介(埼玉・花咲徳栄=3-2の辛勝)との再戦も予想される。課題となった前に出る攻撃力は、フリースタイルでも基本は同じ。「もう一度自分を見直して強化したい」と気を引き締め、偉業達成に向かう。

チームメートと刺激し合って実力をアップ

 その前に、U20世界選手権への出場がある。同選手権は最後に男子フリースタイルという日程となり、出発に間に合うことになって出場することになった。疲れも取り切れない状況での参加となるが、「多くの経験をしておこうと思いました」と出場を決意。初の国際大会になるので、「勝手が分からないけれど、出るからには相手に臆せず、勝つことを意識して自分のスタイルを出せるようにしたい」と言う。

 JOCジュニアオリンピックU20-92kg級では、大学選手も連破して優勝を勝ち取っている。その強さの源を聞くと、「京都八幡高校の練習は日本一だと思っています。京都八幡高校で練習しているので優勝できたと思います」ときっぱり。

▲京都八幡を支える浅井努監督(右)と北村公平コーチ

 全国高校選抜大会、JOCジュニアオリンピック、インターハイと、いずれもチームメートで65・63kg級の鸙野大河が優勝し、その流れを受けて自分も優勝した。「いい刺激を受けています」と話し、相乗効果があったことを口にした。

 今大会、鸙野はU20世界選手権のグレコローマンに出場するので、この大会は断念した。小西は、いわば“独立”し、それで優勝を飾った。国民スポーツ大会は、フリースタイルが先で、鸙野が出場するグレコローマンは大会の後半。今度は自分が勝って、鸙野にバトンをつなぐ役目となる。「この優勝の感激は今日だけ。明日からは、また1からやり直して頑張っていこうと思います」と、力強く言い切った。

▲JOCジュニアオリンピックカップU20で、2人そろって優勝を達成した小西寿(左)と鸙野大河。高校最後の国スポでも再現されるか